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2011年4月13日(水) マロン-2- 夜が明けると吹雪は終わっていた。 それまでの積雪のおおかたをすっかり吹き飛ばしてしまうほどの強風が吹いていた。 情け容赦のない冷たい風だ。 しかし、日が昇るにつれて気温はぐんぐん上昇した。 フランドル派の絵画のような陰鬱な風景は一転してうららかな春の様相を呈した。 そのとき自分が思っていた以上に激しく疲労していることにマロンは気づく。 どんなに厳しく長い冬でもこのようにやがて春に打ち倒される。 かならず(あるいは、たぶん)春がやってくる。 しかしマロンのこころの中の世界では春の兆しすらない。 ただひたすら長く過酷な冬が続いている。 張り詰めた神経を緩めるいとまもない。 冷酷な向かい風にただ頭を下げて這うようにして前進し続けるしかない。 そうすればやがて・・・きっと・・・。 そんなふうに信じて自らを励ましてきた。 しかしこの星での自分の余命がもういくばくもないことをマロンは知っている。 ☆たてしなラヂヲ☆ http://twitter.com/tateshina_radio ※※※ お知らせ: 蓼科高原ピラタスの丘ペンションサンセットは通常通り営業いたしております。 パソコン向けHP:http://sunset.rwiths.net/r-withs/tfi0010a.do 携帯向けHP:http://sunset.rwiths.net/portal/i/tm_i_pln.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.13 10:52:59
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