旅日記・九州国立博物館
ゴールデンウィークの中日、5月4日は誕生日だったので、一人旅に行ってきました。訪れたのは福岡。今日の日記は、初日に行った九州国立博物館の様子を報告します。上の写真は正面(太宰府天満宮側)の写真です。この日は天気がすっごく良くて、雨男の僕としてはなんという好日!!といったところでした。この建物のフォルムは独特ですね。波打つ屋根と、周辺の緑や空の青を映し出す外壁が美しく感じました。博物館の周辺は造成された公園と遊歩道になっていて、出来てまだ一年にも満たないということもあり、まだ人工感が抜けてませんでした。たぶん今後10年で、周りの自然との折り合いをつけて、しっくりと落ち着いてくるんでしょうね。中に入ると、大きな吹き抜けがあって、天井は木材を組み合わせた構造になっていました。内装も木造主体で趣があり、自然の中の博物館という雰囲気を出していました。当日は「うるま ちゅら島 琉球」という特別展が開催されていました。琉球王朝時代の宝物や名品の展示だったのですが、首里城の展示に比べたらちょっと・・・でした。でも九州と琉球とのかかわりという視点でみた構成は、観るものがあったと思います。常設展示では、日本の歴史を旧石器時代から近現代まで俯瞰する構成で、それを九州という切り口で表現したといった印象でした。特に僕が感銘を受けたのは、1つの天目茶碗でした。中国からもたらされた小さな茶碗なのですが、今までに観てきた天目とは比べものにならないほど美しいものでした。漆黒の闇の中、虹色に光り輝く天空の星。それが手のひらに入るほどの空間に大きく広がっている。この茶碗でお茶を飲んでいた人は、どんな思いでいたのだろうか・・・偶然と必然のせめぎあいの中から生まれた、最高の陶芸品だと思いました。東京や奈良に比べたら、歴史も浅くてテーマパークっぽくもある博物館でしたが、これから10年、20年と経ていくうちに、周りの環境や歴史とうまく調和して、いい博物館に熟していくんじゃないかと思います。福岡に行った折には、どうぞこの博物館に寄ってきてください。何か新しい発見があると思いますよ。ところで、この日は太宰府天満宮にもお参りして写真を撮ってきましたので、また紹介してみたいと思います。