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花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

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2024.03.26
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カテゴリ:園芸

中日春秋 (書写) 

 
                  温泉や活性化なる春の磯音符


      能登の和倉温泉(石川県七尾市)は、海から温泉が湧き出ること
     から昔は和倉ではなく「湧浦」と書いた▼腫れ物に悩む加賀藩2代
     藩主前田利長が湯を取り寄せ治療したことから、効能の評判は高ま
     った。湧出口の周囲を埋めたて湯島を造るなど整備は進み、客で賑
     わう。湯を樽に入れ対岸に運び、武士らが入浴したという▼こんな
     歌が流行した。〈湧浦沸浦と家なら七つ 島に湯が出にゃ誰行こや
     〉。湧浦が繁盛しているが、半農半漁の家が7軒の寂しい所で湯が
     出なけらば誰が行くだろうとの意という。能登の歴史に詳しい藤平
     朝雄さんの著書などに教わった▼湯がなければ客が絶える和倉温泉
     にとって復興の一歩である。能登半島地震で休業が続いた公共の日
     帰り温泉施設、総湯が今日、営業を再開する▼配管の修復などを経
     て源泉の湯、水道が開通したという。20余りある旅館の休業は続く
     が、活気は少し戻る。地元の人らが湯に漬かるのだろうが、湯船で
     何を思うのか。身心疲れた今は一層、効能あらたかだろうと想像す
     る▼「湧浦」から「和倉」への変更は藩の方針で「湧浦は書き間違
     えやすい」ことが理由だったとも伝わるが、海に湧くとの由来は地
     名から消えてしまった。地元は抗議したが覆らず、ならば「和して
     倉を成す」と団結し、温泉を発展させてきたという。和して今の苦
     境に挑む人々が早く報われることを。





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Last updated  2024.03.26 05:00:02
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