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カテゴリ:園芸
中日春秋 (書写) 春は曙白星の降る土俵入り ハワイ出身の元横綱曙の曙太郎さんが生まれて初めて雪を見たの は、入門のため18歳で来日して間もなく。「雪って冷たいんだな」 と思ったという▼その後の土俵人生も節目には雪が舞ったと自署『 横綱』で明かしている。横綱に昇進し明治神宮で土俵入りした日も 、長野五輪開会式で横綱土俵入りを披露した日も、引退を決心した のに理事長からけがを治して頑張れと慰留されて撤回した日も、本 当に引退を決めて師匠に告げた日も降ったと書いている▼雪は白星 の色、勝ち星の象徴と本人は記すが、冷たいそれとの縁は常夏の故 郷を離れ、異国で苦労を重ねた力士らしい▼外国出身で初めて綱を 張り、若乃花、貴乃花兄弟との対決で土俵を盛り上げた人。訃報に 接した。54歳とは若すぎる▼横綱になってからのけがとの闘いは凄 絶で、両膝のけがで痛み止めを打ち続け、その末に胃や腸も病み、 痛んだ。注射のみならず点滴で激痛を和らげたこともある。俺は横 綱なんだと言い聞かせ自らを鼓舞。 2000年名古屋場所で19場所ぶ りに優勝を決めた際は涙をこらえようと天を仰いだ。色紙に書いた 字は「忍」。身長2㍍超の怪力自慢はいつしか、日本人に琴線に触 れる存在になった▼旅立つ前は東京近郊で入院中だったが、今年は 桜は見ただろうか。もうけがにも、病気にも、雪の舞う日の寒さに も耐えなくていい。どうか安らかに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.12 05:00:56
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