テーマ:今日のワイン(6005)
カテゴリ:Degustation
久方ぶりにちょっと想定外の素晴らしいワインに出会った。抜栓直後から菫やバラのような品の良く深いフローラルな香りがグラスに拡がり、思わず心がときめく。味わいもフレッシュな苺、ラズベリー。完全除梗から来るピュアな果実とSO2ではなく主にCO2による酸化防止により、果実はフレッシュでトーンの高さ、軽快さを保ったまま熟成による厚み、樽から来るエピスも綺麗に溶け込み複雑味も十分有り、見事にambivalentな課題をこなしている。CO2を使うやり方はうまく行けば良いが得手して失敗し、果実味が抜けたり、ボジョレのように果実味がdominantになり過ぎ、クリマのニュアンスが出ず単純なワインになる事が有るのだが、この1本に関して言えば、作り手Alain Meunierが狙いが見事に決まり、彼の真骨頂だと言えるだろう。少し前に飲んだ同VTのCdVよりも遥かに素晴らしかった。伝説のCharles Noellatの系譜を引くドメーヌだがこのワインもそのNoellatの可憐なBeaux Monts(綴りはBeaumontsだが)の片鱗を感じさせる。
ただ1時間後から果実は落ち始め、それはまるで手の中で瑞々しい花が枯れていくようで有った。正に一期一会だ。
そしてワイン通はその一期一会が故にワインを追い求めるのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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明けましておめでとうございます。
本年も記事を楽しみにしておりますので、宜しくお願い致します。 >伝説のCharles Noellatの系譜を引くドメーヌだが 良い技術の継承というのも、とても大切ですよね。 巷では忘れ去られそうになった技術・文化を継承しようとした日本酒が発売されましたが、私が30年ほど前に飲んだ、その杜氏のお酒を彷彿とさせられる美酒で嬉しくなりました。それが昨晩だったのですが、こうしてQさんの記事でも系譜の重要さが感じられ、奇遇に思いました。 妻が感激していた、Qさんご持参でご一緒に飲んだCharles Noellatのワインも思い出されます。 一期一会、お酒・ワインを丁寧に飲むと痛感して、さらに大事にしていきたいと感じますね。 (2021/01/01 12:50:46 PM)
みりんさんへ
遅れましたが明けましておめでとうございます。 日本も昔の味わいを復活させようという心ある杜氏さんがいるのですね!ブルゴーニュの場合、多くは名の通ったネゴスや作り手が廃業するとその商標を取得し、ロクでも無いワインを出すネゴスが多くてちょっとやりきれない気分になります。このCharles Noellatの例(イカ略ー苦笑)。 今年はコロナ禍がある程度治り、元の世の中と言いませんが、ある程度自由に行き来し、皆で集まりお酒を楽しめる年になるところまで復活すると良いなと思っています。その際にはぜひみりんさんともまたお会いしたいです。 (2021/01/05 01:46:01 PM) |
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