テーマ:今日のワイン(6005)
カテゴリ:Degustation
ウイスキー道ではブレンデッドウイスキーとシングルモルトとが峻別されそれぞれの魅力が追求されている。ブレンデッドでは優れた原酒をブレンディングやバッティングという人為的な方法で複雑だがメローな味に仕立て上げる一方、シングルモルトの方は荒削りだが現れる蒸留所の個性を楽しむ、とまあ別物だ。 シャンパーニュの場合もNMはこのブレンデッド、RMはシングルモルトと同様に別ものとして捉えるべきだと思える。NMの上級キュベは複雑でまろやかで万人受けする一方、単体での満足感を重視するためドザが強く、全体的にくどく単体で飲みそこで完結するのに適しているように思える。 一方RMは正直玉石混淆でどちらかというと石の方が多いように思うが優れた作り手のものは粗削り個性溢れ、また実質単一村や畑、単一VTでそれぞれの違いを愛でる愉しみも有ったりする。 自分的にはこのRMの個性に惹かれる。決して完成されず欠点も有るのだがそれも含めて個性となり魅力となっているように思える。特に志高い作り手の畑やVT、セパージュのアッサンブラージュというシャンパーニュのアドバンテージを放棄して作られた(これはある意味究極のコストカットではあるが)優れたRMの中にはブルゴーニュに劣るクリマのポテンシャルにも拘らずブルゴーニュに比する位はっとする位素晴らしい出来の物も有り、この劣ったとされるシャンパーニュのポテンシャルを補って余り有る作り手の才能に感嘆せざるを得ないものも有り、ワイン会の前座的に乾杯の一杯で飲み干してしまうのは勿体無いを通り越して犯罪のレベルで有る。 まあそんな事はどうでも良いのだがこの作り手はやっぱり素晴らしいと思う。シャンパーニュでも大した事のないとされる村でPM、単一VT。それからこれだけのワインを作り上げてしまう。全く着飾ったところがないが媚びる所は皆無。野にして粗だが卑ではない。ノンドゼだが。20年近く経ち全く酸化したところも無くむしろ強ささえ感じ、PMのポテンシャルを遺憾無く発揮している。並みのブルゴーニュ白を遥かに凌駕する力。ブレンデッドウイスキーのNMにはない感動を与えてくれる。これは混ぜないでじっくり味わいたいと思う。この後にはブルゴーニュ白は必要ない。 別段NMを貶める積りは無いが乾杯の一杯はNMの上級キュベで十分だと思う。どうせ大して違いはないし30分以内に後に続くブルゴーニュ白に全ての記憶が上書きされて残らないのだから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/08/01 10:09:42 AM
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