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カテゴリ:医療
私自身、死を避けられない末期の癌患者です。
一応医師の端くれだから、効果の無いインチキ医療には引っかかりません。 たとえ根治が無理でも、より長い日常生活が見込める標準医療を受けています。 でも、溺れる者はわらをもつかむと言います。 一般の人なら、治ると言ってくれる「治療者」がいれば信じたくもなるでしょう。 ですから、健康で心が弱くなっていないときに、インチキ医療について知っておくことが必要です。 私やこれから紹介する記事の事例のように、治癒の見込めない場合には、予後が変わるわけでは無いでしょう。 でも、治療によって治癒が可能な状態であれば、インチキ医療によって殺される可能性があります。 標準医療という言葉も悪いのかも知れません。 標準というと、寿司や鰻重で言えば「並」に相当しそうな気がします。 その上に、「上」や「特上」があるような誤解はあり得ます。 実際には、根拠に裏打ちされた最上の医療が標準医療となります。 実験段階の医療でもっと質の高い医療もあり得ますが、それはまだ確認されていません。 いずれ標準医療より効果があると認められれば、それが標準医療となるでしょう。 インチキ医療は効果が無いばかりで無く、たいてい高額です。 高額で無い場合でも、患者に負担がかかる場合が多いです。(怪しげな食事療法など) 多くは正しい医療情報に触れることを妨害し、標準医療から遠ざけます。 詳しくはここを参考にしてください。 インチキ医療に引っかかると、金銭を失います。 闘病生活ですでに経済的には苦しい状況なのに、さらに高額の金銭を無駄に失うことになります。 標準医療で治癒が見込める場合であれば、命も失うことになります。 インチキ医療には効果がありませんから、最後には騙されたことに気がつきます。 そのときの悔しさは、尋常では無いでしょう。 だから、「私なら治せる」などという甘言に騙されないようにしましょう。 それでも、治療法が無くなったとき、何もしないのは辛いことです。 何かしてほしくて、標準医療以外のものに頼りたくなることもあるでしょう。 そのような場合でも、説明を録音するなど、証拠を残しておくことをおすすめします。 その理由は、以下の記事を読めば分かるでしょう。 末期がんの父、娘がすがった「自然療法」 「現在の世の中でがんが必ず完治すると言ったり信じたりするのは新興宗教の教祖と信者くらい」というのは正しくありません。 この事例のように、詐欺師とそのカモを付け加えるべきです。 くれぐれもカモになりませんように。 カモになってしまっても、最後は訴訟で一矢を報いましょう。 明日、標準医療を受けてきます。 副作用、軽いと良いなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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http://tamagodon.livedoor.biz/archives/51951280.html
ブログで取り上げさせて頂きました。副作用が軽いことを祈念しています。 (2017.05.16 00:24:54)
たまごどん、コメントありがとうございます。
前回の治療は効果が認められず、腫瘍マーカーが大きく増えています。 と言うわけで、また新しい薬です。 比較的副作用の軽い薬と言うことで期待しています。 詳しくは次回のエントリーで。 (2017.05.16 17:52:01)
こちらでは初めまして。
「たまごどん君のブログで、『美味しんぼ』と『低線量被ばくの問題』を議論していた者」と申せば思い出していただけますでしょうか? なるほど、そちらは医師だったのですか。たまごどん君よりお詳しいのは当然でしたね。 今回の「インチキ(完治させる戦略もないのに、完治するかのように声をかけて末期がん患者の家族に声をかけ、お金を巻き上げる)医療」に対する憤りもそうですが、 かつて、私がそちらに「小野俊一医師のブログ」をご紹介した際(覚えていますか?)、「オノデキタが出るようでは世も末」という言葉が出たように、同業だからこそ(インチキが)許せないという思いがあるのでしょう。 (私は、本日は小野医師の主張の正しさを申しに来たのではないので、誤解なきよう。) どうか、1日1日を大切に。 (2017.05.17 00:05:59)
ジャジーさん、コメントありがとうございます。
もちろん覚えていますよ。 患者を食い物にするインチキ医療も、人々を嘘で不安に陥れるデマ屋も、どちらも嫌いですね。 今は仕事も辞め、のんびりと気楽に過ごしています。 (2017.05.17 16:10:04)
私を覚えていましたか。ありがとう。
そちらは日々を無事に過ごされているようで、安心しました。 なるほど、人々を嘘で不安に陥れる者が嫌いですか。 それにしては、そちらのお知り合いのたまごどん君は、 「ニコニコ笑っている人には放射線の害は来ません。くよくよしている人には放射線の害は来ます」 などと発言し、人々からひんしゅくを買った某氏が大好きなようですがね。(苦笑) まあ、たまごどん君は成長途上です。 これから考えが変わることもあるでしょう。 しかし、こうしてお話していると、 私たちが会話した2014年が、今から3年前だとは信じられませんね。 時が経つのは早いものです。 (2017.05.17 22:17:38) |