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カテゴリ:業界動向/ニュース
サブプライムローン問題で、各金融機関の損失が徐々に明らかになっている。
今朝の新聞でも、米証券最大手メリルリンチがサブプライム関連で、資産評価損 79億ドル(約9,006億円)を計上し、6年ぶりに赤字に転落したと伝えられている。 昨日の朝日新聞(例のくしゃくしゃの紙面)に、ノーベル賞経済学者マイロン・ ショールズ氏の談話が載っていた。「金融変調 私はこう見る」であるが、 「覆された市場の思い込み」が問題の本質だと語っていた。ご存知の方も多い と思うが、彼は夢のヘッジファンドと言われたLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント) の創設に、やはりノーベル賞経済学者ロバート・マートンとともに参加している。 マネー革命(第3巻) 当初年率40%ものリターンを稼ぎ出し、市場が上がろうが下がろうが稼げると 豪語していたが、1998年ロシア危機に端を発する債券市場の大混乱で、たちまち 損失を膨らませてしまった。彼の「覆された市場の思い込み」という考え方は、 LTCMの破綻で学んだことであると言えそうだ。 最強ヘッジファンドLTCMの興亡 サブプライム問題が起こるまで、市場は安定した状態が続き、あたかも永遠に 続くだろうという思い込みがあった。ところが一度サブプライム問題が表面化 すると、投資家は不安になり、一斉に売却に走る。買い手がいない混乱状態に 陥ってしまう。市場参加者が一斉に同じ行動を取り始めると、結末は予測 しにくい。LTCMの破綻も同様、売り手ばかりで買い手がいなければ、いかなる 理論を用いても、もはや役に立たなかった。 市場はショックが起きるたびに、新しいことを学んできた。ただ、未来の ショックに対して、正確な処方箋を書くのは非常に難しいのも事実。市場は 売り手と買い手の双方がいるからこそ、取引の場として存在する。人間は 常に冷静に判断すると過信してはいけない。人間は欲望や不安など、様々な 感情で、ときに一斉に偏ってしまうことがある。そうなると、もはやお手上げ なのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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