000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

長峰ブログ

長峰ブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

長峰♪

長峰♪

カレンダー

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カテゴリ

フリーページ

お気に入りブログ

14日まで秋休みです♪ 幻の民さん

ホテル観洋と被災地… ひなの。さん

人生とサムマネー 想像力が未来を切り拓くさん
殿上人日記 夢穂さん

コメント新着

とろあさま@ Re:家電業界のYKK(11/10) ヤマダとコジマは大量に閉店してヤマダは…
FP長峰♪@ Re[1]:ひとまず(02/18) 夢穂さんへ お気遣いありがとうございま…
夢穂@ Re:ひとまず(02/18) こんにちは。あのように 分刻みの中でのブ…
FP長峰♪@ Re[1]:長良川鉄道(02/14) 夢穂さんへ ええ、でも、途中から隣も向…
夢穂@ Re:長良川鉄道(02/14) 長良川鉄道乗ったことないです。根本的に …

ニューストピックス

2008年12月20日
XML
カテゴリ:書評
昨日のセミナーで、以下のような話をした。つまり、昨年夏以降の

サブプライムローンの問題で、この1年の相場は気持ち悪くなるほど

下がっている。しかし、逆に今は安く仕込むチャンスでもあるので、

毎月少額ずつでも買い続けることには意味がある。市場から資金を

退避させてしまうと、次の上昇局面に追いつけない可能性がある。

上昇局面で、遅れをとるまいと慌てて買っても、すでに遅く、高値

掴みしてしまうことがある、と。


そこで、出てきた質問がこういうものだった。だったら、今の安いとき

に集中的に買って仕込んでおけば、よりいいのではないか?という

ものである。確かに、そうかもしれない。しかし、問題は、安く大量に

仕込むことは、自分のリスク許容を超えていないだろうか?ということ

である。思ったとおり急回復すれば、シメシメということなのだろうが、

そんなに簡単に思い通りになるのだろうか。


私の回答は、こうだ。自分の読みが当たるか。思いの逆に、さらに

下がる危険性もある。いや、仮にうまくいったとして、今度は果たして

うまく、思い通りの利益を確定させることができるのか。プロがリターン

を得ようと四苦八苦しているが、なかなかうまくいかないのが現実だ。

つまり、リターンを得ようとするよりも、リスクを如何にコントロールする

かが、我々のやるべきことではないのだろうか、ということである。欲

張らずに、これまでどおりの資産を買い続ける、つまりニュートラルで

いることも重要だ、と。


お金を知る技術殖やす技術


実は、この手の話を、どこかで目にしたはずだ、とずっと考えていた。

それがようやく分かった。朝日新書から出ている、「お金を知る技術

殖やす技術」(小宮一慶氏著)である。以前にも、リバランスの考え方

が間違っていると書いたことがあるが、読み進めると、本当はあまり

詳しくご存じないのではないか?と思うようになり、途中で読むのを

やめてしまっていたのだ。


しかし、この本は結構売れたと聞いている。そうすると、昨日質問を

下さった方は、この本を読んでいた可能性がある。そう思うように

なった。だから以下に、私の考え方と違う部分を指摘しておきたい。

投資に「絶対」はないのだから、彼の考える手法もあってもいいとは

もちろん思っているので、考えの違いと表現した。


まずP40から出てくる、リバランスの考え方。「リバランスにご用心」

とまで書いている。

「リバランス」という言葉を聞いたことがありますか。聞きなれない
言葉かもしれませんが、これは皆さんがお持ちの金融資産の配分を
変えることです。資産全体に占める株式の割合が増えすぎたので、
いくらかを預金に回そう、といった具合に資産の「バランス」を変え
る、それが「リバランス」です。


これはリバランスではない。リバランスは、自分の受け容れられる

リスク度合いを考慮して、資産配分を決めて運用すると、その後の

相場変動で配分が崩れる。リスク度合いが変わってしまう。例えば、

国内株式を30%としていたのに、今なら、下落相場で25%程度に

縮小してしまう。それを、もとの30%に戻す、当初決めた配分割合

に戻すことなのだ。自分のリスクをコントロール手法である。


資産配分自体を変える手法に、リアロケーションというのがある。

リアロケーションは、相場の環境や資産の増減で実行するものでは

ない。自分の受け容れられるリスク度合いが変わったときに、それ

に合わせて、配分を変えることである。例えば、あと5年以内に、

現金化して使う予定が迫ってきた場合などに、株式の割合を下げて、

変動を抑えておくことも必要だ。リアロケーションもやはり、自分の

リスクをコントロールする手法である。

一般的に金融機関に資産運用を相談すると、リバランスを「定期的」に
行なうように勧められることが多いのですが、この「定期的に」が実は
曲者です。特に投資信託を買っていて、年に一度、リバランスなどをし
ようものなら、販売手数料を毎年取られていつまで経っても元本が増え
ない、などということになりかねません。


証券会社の営業マンなどなら、きっと年に一回の売買で満足しまい。

もっと回転売買を勧めるのではないか。このリバランスは、年に1回、

もちろん二年に1回でもいい。しかも自分の決めた配分と、例えば5%

以上の乖離が認められたら実行すると、自分で決めるもので、チェック

して3%程度の乖離なら、必ずしも実行しなくていいものである。


売買手数料がかかるのは事実だ。投資信託を買う時の販売手数料や、

売る時の信託財産留保額。だが、保険を買う時にも手数料はかかって

いる。それが内枠になっているから、分からないだけだ。投資信託は

外枠で表示しているので明確なだけ。誰もただ働きはしないものだ。

信託財産留保額は、業者に払う手数料とは意味が違う。売却すれば、

有価証券の売却コストがかかるため、他のファンド保有者共有の財産

に、それ相応に残しておく趣旨のものである。

P42に進んで・・・。

リバランスは、景気の変わり目に行なうのが正解です。

なるほど、と思わせるが、リバランスの原点を理解していない。リスク

コントロールのために、リバランスはある。リターンを挙げる手法と考え

ているから、「景気の変わり目」なんてことを持ち出してくる。景気の

変わり目が、誰にでも簡単に読めると思うのは、大間違いだ。


ただ、この本は、景気判断や金融知識を身につける意図で書かれた

ものだから、やむをえないかもしれない。そもそも執筆の出発点が違う

のだ。昨日のエコノミストのように、きっと筆者なら、東海の生産動向

をみて、2007年12月が景気の変わり目と的確な判断を下したことだろう。

あとになって、「あのときが」というのは、ある意味、誰でもできるのだ。

だからだろうか? P86になると、こんな記述が・・・。

株式運用(特に株価全体のインデックス)で資産を殖やすには、景気の
読みに加えて運が必要なのです。


結局、「運」次第と言ったら、ガクッときてしまう。リターンを挙げるのに

絶対はないから、リスクコントロールの技術を説いてほしいものだ。

P184からは、確定拠出年金(401k)に話が及んでいるが、無知を

露呈してしまっている。

企業内の運用セミナーなどで「定期的に『リバランス』させましょう」
などと「教え」られることがありますが、素直な人は驚くほど簡単に
だまされてしまいます。短期間でリバランスさせると、それだけ年率
3%程度の手数料を取られることにもなりかねません。銀行や証券会社
が儲かるだけです。ですから訳が分からないうちは、預金においておく
ほうが無難です


「だまされる」という表現は、そのまま筆者に返さないといけない。私は

これまで、数十社の401kを見てきたが、401kで販売手数料を取る投資

信託にお目にかかったことがない。販売手数料においては、0%である。

しかも、売買に関わる事務手数料もかからない。もっとも、商品売却

コストとして、信託財産留保額がかかることはあるが、かかる場合でも

0.1から0.3%程度だ。「預金においておくのが無難」って、それでは

いつまで経っても殖やせない。本の趣旨は「殖やす技術」ではなかった

のか。少しずつ試して、経験を積むことこそ重要ではないだろうか。


この本が、投資初心者を迷路に迷い込ませることになっているのでは

ないかと、少し心配である。やはり、私自身が本を書いて、考え方を

世に示すことも重要だと痛感する。ただし、出版してくれる会社(自費

出版ではなく)があればの話だが・・・。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年12月20日 19時07分28秒
コメント(2) | コメントを書く
[書評] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X