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2009年05月01日
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カテゴリ:書評
すべて僕に任せてください」という、小説かのようなタイトルの本を

読んだ。まるで、周防正行監督の映画「それでもボクはやってない

に似た雰囲気ではないだろうか。この映画を観てからというもの、私は

電車で万が一にも誤解されることのないような、慎重な立ち位置を

心掛けるようになった。

それでもボクはやってない

しかし、今回読んだ本は小説ではなく、実話である。一部イニシャル

化されているが、実名で書かれている。東京工業大学の教授ら、

理工系大学関係者の裏側を、のぞき見させてくれるものである。


すべて僕に任せてください

この本のサブタイトルは、「東工大モーレツ天才助教授の悲劇」で

ある。著者は今野浩氏であり、主人公の天才助教授は白川浩氏

(故人)である。著者が、かつての愛弟子について書いた本だ。

私は私立文系大学出なので、国立理工系大学の実態はまったく

知らない。文系として知っていることにしても、あくまで学生として

のものでしかない。工学部に進んだ長男が読むのにいいのでは?

と思って買ってみたのだ。


白川氏は、天才肌の変わり者といった存在だったようだ。だから

こそ、世渡りが下手であったと言えるかもしれないが、研究に

全精力を傾けた人であったのだろう。助手時代の彼は、帰宅する

こともなく、研究室のエレベーターの中で眠ってしまうような、まさ

にモーレツな日々を送っていた。かと言って、オタク風の内気な

イメージではなく、やたら声のデカイ、内緒話のできない、豪快

な人物だったようだ。


また研究に熱心であるが故に、のめり込み方は半端ではなかった。

そのうち、教授陣とも衝突する。もちろん、彼の才能を高く評価

する、著者のような教授もいたが、そうではない御仁もいたようだ。

しかも、文部科学省と国立大学の経営など、彼を取り巻く諸問題

が、彼の行く手に立ちはだかることもあった。


さらに、彼が専門にした金融工学の分野は、経済学部・商学部と

数学者や工学者といった、様々な専門家が絡む新しい分野である。

そこに、民間企業も絡むから、なかなか思い通りにはならない世界

である。熱心であるが故に、多くの雑用も自ら引き受けたようで、

多忙を極めた。そして、彼は42歳という若さで肝臓癌で亡くなった。


それほどまでに、研究に取り組んだ白川氏だが、それだからこそ、

段取りよろしく、後継者を残す、ということができなかった。書物

も残さなかった。論文も一流誌に載ったのは、助手時代のわずか

3編にとどまる。命懸けのプロジェクトも、当初計画の2割程度しか

実現できぬまま亡くなり、今では閉鎖されている。


あんなにも優秀で、熱意のあった研究者なのに、このままでは彼

の名前は消え去ってしまう。そんな心配をした著者が、なんとして

でも残したかった実話なのではないだろうか。白川氏への、温かい

愛情に溢れた本である。が、それと同時に、果たして大学の研究

者を取り巻く環境は、これでいいのだろうか?と思えてくる。






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最終更新日  2009年05月01日 19時12分27秒
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