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カテゴリ:時事
まもなく、東日本大震災から1年を迎えようとしている。
菅直人前首相が時事通信社のインタビューに応じ、 東京電力福島第1原発事故について「事前の備えが あまりにも不十分だった。備えがなかったという意味 で大失敗だった」と述べたという。 「それ(備え)があればもっと事故も放射線被害も 大きくならずに済んだと思うだけに、責任を感じる」 と指摘すると同時に、「東電から上がってくる情報 そのものが極めて不十分だった」とし、その原因に ついては「全部『3・11』前になる。つまり全電源喪失 を一切想定しなかったからだ」と断じたそうだ。 この記事を見て思い出したのが、LTCM(Long-Term Capital Management)である。1997年にノーベル経済 学賞を受賞した経済学者、マイロン・ショールズと ロバート・マートンが参加した「ドリームチーム」に よるヘッジファンドだ。
しかし、1997年に発生したアジア通貨危機と、1998 年に発生したロシア財政危機で、平均の年間利回り 40%を確保していたドリームチームの運用状況が一変 する。彼らは、ロシアが債務不履行を起こす確率は、 100万年に3回だと計算していた。 それでも、保有する債券は、価格さえ下げれば、誰 かが買うものと想定していた。しかし誰一人買わない。 これはノーベル賞受賞者にとって、まさに想定外だ った。そして、あえなく破綻したのだった。 いままた、AIJ投資顧問による運用資産消失が問題 になっている。LTCMとは似て非なるものだし、運用 の実態はこれから明らかになっていくだろう。それに しても、いつか見た景色が浮かんでくるではないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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