長峰ブログ

写真は、昨日、名古屋市内の病院で、職員向け

にセミナーを行なったのだが、早く到着したので、

ぶらぶらしていて見つけた、廊下のギャラリーに

あったジグソーパズルである。お地蔵様が6体

並び、「急がなくてもいいですよ　今日を楽しく

のんびりと」とある。

• 

リハビリ棟の渡り廊下だから、あせらず治療しま

しょう、とも読めるが、先を急ぐのではなく、ゆっくり

じっくり、人生を歩んで行きましょう、とも読める。

患者さんの癒しにつながると思うが、こうした、ふと

足を止める時間も大切にしたい。



まもなく、東日本大震災から1年を迎えるが、朝日

新聞の今朝の一面トップは、「生きる」という記事

だった。親子のむつまじい笑顔が印象的だが、この

家族に起こった出来事が書かれている。

• 

写真の母親は、震災直前30分前に娘を産んだが、

震災で58歳の母を失った。その母とは、生まれて

すぐに両親が離婚し、父方の親類で育てられたため、

記憶がなかったという。その母と震災3か月前に、

駅前のバス停で偶然出会ったそうだ。


母から不意に声を掛けられ、「捨てられた」という

思いから解放され、「ずっと忘れずにいてくれた」

ことにうれしくなったそうだ。そして、「春に赤ちゃん

が生まれたら遊びに来て」というのが、最初で最期

の約束になってしまった。


記事は、「あの日の別れは忘れられない。でも、

この子のために、自分のために、私は生きる。」

と結ばれている。震災からの復興には、とてつも

ない時間がかかるだろう。悠長なことは言ってい

られない。被災地では、一日も早い復興が望まれ

ている。