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カテゴリ:書評
嶋津義忠氏の「竹中半兵衛と黒田官兵衛」を
読んだ。これは相当面白かった。NHKテレビ 「軍師 官兵衛」を見ている人なら、読むこと で理解が深まること間違いなしだ。
両者の違いをよく表す言葉が、帯に書かれて いる。竹中半兵衛は「天下は天下の天下、一人 の天下に非ず」。秀吉が実現した天下が、この 危惧を具現化してしまったかのようだ。 一方の黒田官兵衛の言葉は、「主君の罰より、 臣下、万民の罰、おそるべし」である。これも、 半兵衛に影響を受けてのもので、官兵衛の心に 半兵衛は常に寄り添っていた。 小説であるし、どこまでが真実かはわからない が、一番魅力的な登場人物が、「霞の幻蔵」と 名乗る傀儡師と、その妹の旅芸人の「楓」だ。 幻蔵は終生、官兵衛の密使として勤め、楓は 半兵衛と二度結ばれる。 幻蔵が官兵衛に対して果たした役割の大きさも さることながら、読者として興味を持ったのは、 楓の舞の美しさ、妖艶さ、不明な出自である。 「軍師 官兵衛」には登場しないが、ドラマ化し たら、誰が演じるのが妥当だろう。いや、想像 のままに残しておきたい女性である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年05月03日 22時40分07秒
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