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カテゴリ:書評
孤狼の血 [ 柚月裕子 ] 今日は、愛知県犬山市のホテルでセミナーだった。先月に続き、 犬山城を遠くに眺めた。幸い、雨にも降られず、包帯巻の足に ビニール袋をかぶせずに済んだ。ここ数年、毎年2回ずつ、この ホテルでセミナ―をしている。 道中、電車の中では、読みかけの文庫本を読んで過ごした。柚月裕子氏 の「孤狼(ころう)の血」である。個人的に読んだのは、「検事の本懐」 に続き2作目となった。 悪徳警官ガミさんと部下の日岡の物語は、病みつきになる面白さだった。 来年映画化され、ガミさんを役所広司氏、日岡を松坂桃李氏が演じる。 どんでん返しというのか、読み進めると意表を突く展開にアッと驚く。 広島ヤクザに対する警察の立ち振る舞いは、ヤクザの懐に入り込んだ ガミさんだからこそ、コントロールできたことを痛感させる。持ちつ 持たれつだ。そう考えると、この物語を書いた柚月裕子氏もまた、もし かしてヤクザの懐に入り込んでいるのではないかと疑いたくなる。それ ほどの事情通でなければ、ここまで書けないのではないかと。 巻末の解説に書かれているのだが、ガミさんは「粗にして野だが卑で はない」人間として書かれている。だからこそ、ガミさんを想う日岡 の気持ちがよく分かるのだ。私個人は、決して仁義なき戦いを好きな 人間ではないが、それでも途中から、この物語から目が離せなくなった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年10月20日 19時14分55秒
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