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テーマ:ゲーム日記(31028)
カテゴリ:MOTHER
■マザー3のプレイ日記を始めてみようと思うのですが、すごく書いていて歯がゆいのは、このゲームの全体像がわからないままに書き進めるということなんですね。たとえば前作や前々作ならそれこそ何十回もやっているので、序盤のこのシーンの意味するものはとか、このセリフがあの世界に通じているのだなんて書き方ができるわけなのですが、いかんせん、新作は純粋な続編とはなっていないように見えるんですね。よって、フラフラ旅をしながらその言葉に引っかかって良いものやら、それこそどの道を進んでいったらいいのやら見当がつかない所が多いです。それでもできるだけ、このゲームを知らない人にもその魅力が少しでも伝われば、という書き方をしたいと思います。実際このゲームをプレイ中の人にとってはネタバレも含むし、もたもた右往左往ばかりしているのであまりためにならないかもしれません。あしからず。
■1,2との大きな違いは主人公の分散化にあると思います。旧作ではコントローラーを握る私が操るのはほとんどが帽子を被ってリュックを背負ったネスという名の少年でした。常に彼が主となり、仲間を集め世界の悪意と戦って成長していく、そんな物語でした。ところが、今回はそれがある時は父親であり、ある時は双子の兄弟であり、またある時は彼らの友人になる。この人称の拡散はとても大きな変化だと思います。そうなることによって絆みたいなものがより深まるような見せ方になっています。またそれによって対象としての敵がより強靱なものに見えるという効果もあるのかもしれません。 ■すごく映画的です。強制的に周囲が動き出して物語を語ってくるシーンがとても多いです。ある時はカットバックのように若かった頃の母親のイメージを映しだしてくれるし、ある時は重要なメッセージををプレイヤーに仄めかすようなエピソードを紹介してくれたりもします。自分でストーリーを見つけ出していくだけでなく、強制的に告げられる情報も多い、それが今回のちょっとした違いです。 ■それにしても物語の序盤にして、彼女が死んでしまうという展開には衝撃を受けました。そしてその事実に取り乱してしまう彼の行動も。ゲームの中でこれだけ冷静さを欠く行動をとる主人公も初めて見ました。そしてそれに同情してしまう自分ももう作者の罠に嵌ってしまった証拠です。長い冒険のいたるところでおいしい料理を食べさせてくれたり、優しい言葉をかけてくれた彼女が墓の中にいる状況で一体この先、誰に力を与えてもらえばいいのか。旧作では姿を見せなかった父親が俄然存在感を表す序盤の滑り出しに彼がいったい子供たちに何を与えることになるのかという興味は尽きません。にしても、「マザー」というタイトルの意味がこんなにも痛々しく響くのは今回が初めてですね。 ■言葉に対するこだわりはもうこのゲームの最大の魅力です。でももう一度聞きたいと思うセリフは一回限りの場合が多くてもう一度聞こうと思っても再現してくれません。森の中で初めて「あいつら」に遭遇したシーンはとても印象的でした。あの時彼らが私たちに言い捨てた言葉にはなんかすごく重みがあって心に残っているんだけど、今また同じ場所に行っても彼らの姿なんかもうないんですよ。 ■音がすごく心を揺さぶります。森が火事になった時の木が燃える音、その火事を消すことになる激しい雨の音、今回そういう自然現象の効果音が耳に残ります。BGMの方はすごく哀切なメロディが多いですね。わくわくするような冒険の始まりを表す旋律は控えめです。そうですよね、だってある意味これは復讐劇でもあるんですから。でもそれは誰に対するものなんでしょうか。今回の「敵」はあの悪意の塊のようなギーグではなさそうです。ではいったい誰なんだろう。ひょっとしたら自分自身の心?いやだ、またそんな哲学みたいなこと言って。 現在のセーブポイント 1章 タツマイリ村 中央広場 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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