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カテゴリ:音楽
01. Everyday
02. Good Morning! 03. Tokyo 04. 卒業 05. 海 06. ヒップホップの初期衝動 07. 有志の宝くじ 08. 温泉 09. moonlight lovers 10. 夢中 11. 花見 12. Re:Re:Re: 13. 飽きる 14. 00:00:00 15. everyday is a symphony ■今年のフィールド・レコーディングの傑作と言えば、坂本教授の「Out of Noise」が真っ先に思い浮かぶのだが、それが氷河とか波音とか、いかにも自然界から拾い上げた「音」だったのに対し、こっちのグループの収拾した「音」は街中で彼や彼女が発した極々日常的なつぶやきやら囁きやらで、まるでツイッターのサウンド化のようだと書くとすごく2010年代的に聞こえないか。 ■いとうせいこうがなぜスチャダラではなくて、この口ロロと組んだのかその理由は良く知らないが、あくまで甘いメロディとか抒情的な印象を聴き手に与えようとして彼らを選んだとしたらそれはそれで成功(せいこう)だったのではないか。 ■無機的なミュージック・コンクレート風な楽曲が散らばる中で一転してひどくのびのびと歌われるM4やM9の流れがすごく好きだ。どちらの曲も三浦康嗣氏の仕事、だてに口ロロの背番号1番を背負っていない。そしてわたしはそんな歌を聴きながらあの「彼方からの手紙」をなんとなく思い出した。 ■M10,M12,M14がすごい。「夢中」と書くと一生懸命な人の話に聞こえるが、実は夢の中の話であるという発想がすごい。そこで紡ぎだされる言葉の連鎖がまるで夢の中で脈絡もなく繋がっている風景を再現しているようで怖いくらい。 ■ケータイの画面で目にする「Re.Re.Re」を声に出して発音したことはなかったが、リーリーリーと読めば足を震わせながらベースから離れた野球部だった頃を思い出す。たしかにメールのやり取りの中でその言葉尻とか、(笑)とか(泣)とか(汗)とか、あの無数の顔文字の使い具合にその人のセンスなり個性なりを読み取ろうとするのだが、肉声よりもはるかに奥深い詮索の谷間に途方に暮れた夜は何度もある。これはそんなやりとりを再構築させて見せて(聞かせて)くれるちょっとしたラブの話でもある。 ■日常の音をサンプルにしてどれだけ表現が可能なのか。ヒップホップの初期衝動がくだらない日常に向けての挑戦とか警告だった時代ははるかに遠く、今のラップはディジタルの時計のように10秒ごとに等速で日常をトレースして、まるでそれが非日常のような世界に見えるってことを我々に伝えようとしている音楽になっているのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/12/27 10:04:03 PM
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