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テーマ:大河ドラマ『龍馬伝』(491)
カテゴリ:龍馬伝
■池田屋に新選組が突入してきた後、深手を負った亀弥太は長州藩邸に駆け込んだ。しかし、その門は堅く閉ざされ、彼を決して中に入れようとはしてくれなかった。
■あの時、龍馬が遭遇した彼は幕府側にとどめをさされるのなら、いっそ自分の刀でと自らの生に決着をつけた後だった。そんな彼のドラマを伝えなくてどうする。 ■新選組側からの物語ならば、最大の見せ場となるところの池田屋事件だが、龍馬目線でとらえたこのドラマではそれは省略の技法によって肝心要の襲撃シーンなどは一切見せない。もちろんそこでは総司の喀血も土方の「待たせたな!」も一切が封印される。 ■2004年の大河ではこの一大事を描いた回のラスト数分は江口洋介演じる坂本龍馬のその蛮行を嘆くひとり芝居で終わったのだが、福山くんはその回のオンエア分を参考にしたのかしなかったのか。事件そのものの描き方に違いはあれど、龍馬のこの出来事に対する想いは同じ。つまり、何を今頃日本人同士でバカなことをやっちょるんだという寂寥感。 ■どこが中心で何が目標であるのかという大義名分が極めて曖昧な幕末。身の程をわきまえず誰もがかつてあった身分を越えてそれぞれの志を持って自らの国のことを考えていた時代。土佐の下士も多摩の百姓も薩摩の下層衆も日本のためにと立ち上がっていたはずだった。 ■一方、殿様の方はといえば、土佐の藩主は相変わらず酒を飲みながら極楽浄土の掛け軸をうっとりと眺める。極楽はえぇよ。行ってみたいよ極楽。もうその時点で彼の頭の中には俗世間の喧騒など何もない。 ■中央集権国家設立前夜、やがて中枢を担っていく人材は自然の磁力でそこに引き寄せられていったのか、それとも力づくでその権力を奪い取っていったのか。そんな中で坂本龍馬がとびきり魅力的に見えるのは彼が人一倍頭脳明晰であったわけでも、剣術に優れていたわけでもなく、日本一のともだち想いだったからではないかなんてここまでの話を見て思う。 PS ■木更津キャッツアイ日本シリーズでは黒モーコだった酒井若菜が真っ白だったのに笑った。白モーコ。牢番役に小市慢太郎、彼の出番があと何回も続きますように。それは半平太と以蔵の助命嘆願と同意だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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