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カテゴリ:真田丸
■あれだけ死亡フラグを立てておいて、誰もがやっぱりあの門の前でと思った瞬間、佐助が登場。あっぱれ佐助、この意表のつかれ方は心憎いなと思ったところで、残り2分でまた裏切られました。一度安心に動かされた後で、また揺さぶられると、衝撃は倍になります。予想を裏切り、期待に応えるというキャッチフレーズも時と場合によります。
■やはり私にとってこのドラマは大河ドラマを楽しむというよりは三谷ドラマを堪能するというベクトルの方に向きます。史実は決まっています。その中であったかもしれないドラマと、いたかもしれない人物のおりなすエピソードの積み重ねがこのドラマの意義でもあるし魅力でもあります。 ■戦闘シーンをあまり好まないこの作者も今回の上田合戦に限っては、銃や刀や槍や矢を浴びる人々を描かざるを得ません。実際に上田城の二の丸付近があのように手の込んだ迷路に作られていたのかはわかりませんが、今回のセットのスケールの大きさと緻密さは大河ならではの時間とお金のかけ方でした。 ■印象的だったのは真田側の術中にはまった徳川軍の兵たちが次々と命を落としていく様子を固い顔で見つめる堺君と大泉君の表情で、たしかに勝鬨はあげたけれども、(藤岡弘、のように)戦闘が好きでたまらないわけではない、できれば以前、徳川や北条を出し抜いたように血を流さずに勝利を収めたいというように見えなくもありませんでした。 ■この合戦の発端は本当にあのような敵を揶揄する高砂の謡いから始まったのでしょうか。今でいえば、「お前の母さん○○○~」みたいな感じなのかしらね。そんな堺君のくるくる変わる表情や身体いっぱい使った旗振り芝居が見ものでした。時にコメディアン風に、時に凛々しい武士に、そして時に沈痛な夫にと、青春編の総仕上げとばかり、喜怒哀楽すべて含めて堺雅人の力量を堪能しました。 ■真田の旗、あの六文銭のデザインは素朴でありながら、力強くて素敵です。当時、旗自慢全国大会かなんかあったら、結構いい線いってたんじゃないでしょうか。ライバルはやっぱり風林火山かな。あ、七人の侍の○と「た」の字も忘れられませんね。 ■この回がある意味でひとつの区切りだとすれば、ここまで印象に残ったキャスト・ベスト・スリーは平岳大、西村雅彦、黒木華でした。次回からは大坂編が始まります。ここまで家康以外は信長も光秀も有名どころはほとんどスルーしてきましたが、役者の当て方を見ても秀吉、三成、淀君などはかなりこの作家特有の描き方を見せてくれそうな予感がします。 BGM 「キングサーモンのいる島」 六文銭 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/04/03 10:07:19 PM
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