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カテゴリ:真田丸
■誰か知らない人と相部屋になるより、ひとり部屋になった方が良い。そもそも人見知りの方だし、寝る時くらいは気兼ねなくのんびりしたいものだ。ただ、相部屋になったとしても、その相手が花に水をやることが趣味の心優しい御仁だったとしたら、いくらか救われた気にもなる。しかし彼らは修学旅行で大坂城に民泊に来たわけではない。
■大坂城に集まった牢人たちの目的は何だったのだろう。豊臣に対する忠誠なのか、徳川に対する反感なのか。たしか九度山の村には太閤時代の活気が徳川の世には存在しないという血気盛んな若者の意見もあった。 ■そんな烏合の衆の中には、小銭を稼ぎたいと願う者も、とりあえずねぐらを確保したいと思う者も、そしてこの機に名声をあげたいと願う者だって混ざっていたのかもしれない。隙あらば取り入ってもらおうと常に名刺代わりの木札を持参している者だっている。 ■VIP扱いされるのは名誉なことだが、中にはそんな待遇にやっかみや不満を持つ者だっている。すごい人らしいという噂は耳にしたことはあるが、それが本当かどうかは実際一緒に戦ってみないことにはわからない。はったりはかましてみたが、所詮はったりでしかない。 ■殿様は見目麗しい若武者だが、如何せんまだ経験が足りない。仕切り役は何か提案されると一旦持ち帰ってきっと母親に相談するような優柔不断な男だ。そんなチームの総大将を引き受けるのは誰だって嫌だ。 ■かくして五人衆ができあがった。一組から五組、どの担任にあたるか、始業式前日の夜の気持ちを思い出す。私だったら顔は怖いけど、一番優しそうな長宗我部先生のクラスが良いなと思う。かくして責任は五等分された。それが全て後藤君のせいだというわけではないが。 ■誰が敵で誰が味方かわからないという感想はこの大河の序盤ですでに提示したことであるが、いよいよ最終盤に入ったこの時期においてもその気分は継続している。真田信之が自分の下を離れ、敵方につこうとする家来を斬りつけようとしたように、それぞれの義の解釈によって誰に味方すべきか、誰と敵対すべきかは時の流れと共にうつろうのがあの時代だったということだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/10/23 10:18:42 PM
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