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カテゴリ:真田丸
■第44話にして初めて定型を崩した理由は最終盤の高揚感をあのタイトルバックで一気に煽るためだったからだろう。普段は入れない効果音(馬のいななき)さえも赤い大軍勢が内野家康のクレジットを蹴散らすかのように鳴り響き、あの窓の中からは次回予告が挿入されるという展開。しかしこの奇策が通じるのは今回だからこそであり、次回以降は同じ手は食わないと徳川側は備えているに違いない。
■そんな徳川方に豊臣の状況を伝える密書を送りつけたのは誰なんだろう。実物はすぐに家康によって燃されてしまったので証拠は残っていないが、録丸の皆さま方は是非もう一度一時停止ボタンであの文を確認してみると良い。内野君の左手親指が邪魔になり、はっきりとは映っていないが、なんとか差出人はひらがなの「お」と読める。豊臣側についた牢人衆の中にそんな文字で始まる者がいたか思い出してみる。少なくとも五人衆の中にはひとりもいない。では豊臣家側はどうだ。いたいた胡散臭い奴がひとり。そういえば彼は元「スパイ」ダーズのメンバーだった。 ■息子真田大助の気分で大坂城内見学ツアーに参加してみる。そこには色んな人たちが溢れていた。やたら睨んでくる無口な強面はいるは、異国の神を崇めている人はいるは、初対面の若者にまで名刺みたいなものを渡してくる男の人もいる。有象無象と言われてもしょうがないと思うが、父上はそんな人たちだからこそ力になるんだと言い張る。なんだかすごくためになる。今度は是非旨いつまみを食わせてくれる太閤殿下の料理番のいる居酒屋へ連れて行ってもらいたい。 ■大蔵卿によって一旦クシャクシャにされてしまった陣立ても二転三転の末に結局は秀頼のひと声で実現に至った。ようやく息子が母親に逆らえた瞬間。「御免」という言葉の奥深さを思う。その時の竹内結子の表情がまた良かった。かくして真田丸の築城成る。初めて手にした自分の城。ただそれは権威の象徴としてのそれではなく、敵から攻められることを念頭において作られた城。そこから見える景色はかつて秀吉と共に見た天守からの眺めと比べてどうだったんだろう。 ■これまでアバンタイトル無しで本編が始まる前きっちり3分のオープニングタイトル+ナレーションという定型を守ってきたこのドラマが、今回「築城」というタイトルを本編の内容全体で表し、最後のセリフ、内記「城の名は何とします」幸村「決まっているだろう・・・真田丸よ」で満を持してクレジットが流れるという構成はかなり効果的だった。長い大河ドラマの歴史の中でもこのような手法はおそらく初めてだったのではないかと思う。考えてみれば三谷はこれがやりたかった為の今までの43回だったのではないかと勘ぐってしまう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016/11/06 10:09:29 PM
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