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ドイツの水族館のタコがスペインの優勝を予言したらしい.ついに「無敵艦隊」の栄誉ふたたび,となるかもしれない.
というわけで今日は,あまり得意とは言えない歴史ネタです. 無敵艦隊(Armada)はもちろんエリザベス女王の英国に負けた艦隊として有名です.これは1588年の話. フェリペ2世のスペインはカソリック.対してエリザベスの英国はプロテスタント.それに当時は英国の海賊が大活躍をしていた.フェリペは海賊を取り締まるように申し入れたけれど,わが英国民が海賊なぞする訳がない,とエリザベスは突っぱねた. もちろんこれはウソで,女王の委託だか許可だかを得た「私掠船」が世界中で海賊行為をやっていた. ちょっと脱線. 「私掠」(privateer)というのは女王のお墨付きを持っている訳だから英国では合法です.むしろ国の英雄.ただしお墨付きを持っていたとしても,自国の船を襲ったらアウト.これは「海賊」(pirates)であり,英雄どころか縛り首です. で,ウィキで「フランシス・ドレーク」をひくと,「イギリスの海賊,私掠船船長,海軍提督」と書いてあります.厳密に言うと「海賊」と「私掠」とは天と地ほどの違いがある.もちろんスペイン側からすれば両者は同じものですけどね. それに表向きは「私掠」でも,時には自国船を襲って小遣い稼ぎもやっていたでしょう.その場合には船の乗員全員を殺すのが鉄則です.1人でも生き残っていたら後日,「あ,この人は海賊だったぞ」と証言されるかもしれない.そうしたら縛り首です. 話をもとへ. そういうわけで英国の私掠船は,スペイン船から財宝をごっそり巻き上げては英国に持ち帰っていた.エリザベス自身そのお相伴に預かったであろう. それやこれやで,とにかく戦争になりました. スペインの船は見上げるような高さで,大きな大砲を備えている.玉は大きいが飛距離はあまりない.玉は横からというよりは,上から落ちてくる感じだったかもしれない. 一方,英国船は甲板が低く,スマートで船足が早い.何しろ海賊行為で慣らしています.海賊にとって船足は非常に重要で,船足が遅かったら獲物に逃げられる.また強敵(軍艦とか)に襲われたら逃げねばならない.海賊船の厄介者はフジツボで,これが船体にたくさん付いたら船足が落ちる.だから時には船を浜にあげて船底についたフジツボを落とさねばならない.そういう浜辺には,海賊は宝物を隠したりもした.少なくともそういうウワサが流布されたりした. スペイン船の大砲は船体に固定されていた.対して英国船の大砲は車輪がついていて,甲板をガラガラと引っ張って移動させた.玉は小さいけれど飛距離がまるで違っていた. この道具立てを見比べただけでも英国の優位は明らかである.しかしスペイン艦隊は戦闘態勢にはいると「三日月形」の隊列を組んだ.この隊列を組まれると厄介です.攻撃しようと相手のフトコロに入って行くと,それを両側から包み込むように三日月の両翼が迫って来る.しかもスペイン船は何しろ大きい.さすがケンカ慣れした英国水夫たちも,これには抗しがたい恐怖を感じたそうです. 業を煮やした英国軍がとった作戦が,深夜の火船攻撃.船に可燃物を満載して火をつけ,停泊中のスペイン艦隊に突入させた.このためスペイン船はバラバラに逃げた. そして夜明け.スペイン船が再結集して三日月形の陣形を作る前に,英国軍の攻撃が始まった.これで勝敗が決まった. 敗れたスペイン艦隊は北に逃げた.南に帰って来たら今度は自分が陣頭指揮をとる,とエリザベスは息まいた.それに恐れをなしたかどうかは定かでありませんが,スペイン艦隊は南に帰って来なかった.はるかスコットランドの北を西進し,アイルランドの大西洋側を南下するという航路をとった.このとき嵐に遭って,たくさんの船が難破沈没したそうです.だから今でもアイルランド沖には財宝が海底に眠っている,のでなかろうか. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 11, 2010 06:22:52 AM
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