カテゴリ:カテゴリ未分類
イラクは大量破壊兵器を所有している.そう言って米国はイラク戦争を押し進めた.この言葉を発することで,ブッシュやラムズフェルトはイスラエルの懸念を代弁していた.米国はイスラエルのかわりに、言わば代理戦争をやったことになる.イラクを叩き潰して,イスラエルの目の上のコブを取り除いた.
もちろん戦争の理由はそれだけではないだろう.さまざまな利権や戦略が関係していると思う. それに米国は常に何かの戦争を実践することで,軍備に磨きをかけてきた.戦争の遂行は,日常茶飯事的な一事業として米国の政治経済に組み込まれているように見える.ナポレオンのフランスがそうであったように,米国は戦争なしでは生きられない国になっているらしい. イラクに大量破壊兵器? 証拠はありませんでした.大量破壊兵器の工場だか貯蔵庫だかと銘打って,米国はイラクの建物の画像をもっともらしく公開したけれど,全くのデタラメであった. それに「大量破壊兵器を所有している可能性がある」だけで戦争を始めるというのは,あまりに無謀. それに,大量破壊兵器の故にというならば,米国はまずイスラエルを空爆すべきでしょう. 少し脱線します. 記憶に残る当時の名言?として,ラムズフェルトの「smoking gun」発言がある.殺人現場で,まだ煙の出ている拳銃を持っている人がいたら,きっとソイツが犯人でしょう.だから smoking gun には「確実な証拠」という意味もあるらしい. イラクの大量破壊兵器について,「どこに証拠(smoking gun)があるか?と人は問うが,われわれは smoking gun を見たくないのだ」とラムズフェルトは言った.そう発言することで,大量破壊兵器が使われたあとでは遅いのだと強調した.と同時にこの言葉は,イラクに大量破壊兵器があるという確実な証拠を,米政府はもっていないことを自白していた. さて, 民主主義をタテマエとする国が戦争を始めるとき,何をせねばならないか? 国民はふつう戦争は嫌いでしょう.だから為政者は,国民が戦争を肯定するように,世論を沸騰させねばならない.だから国家運営の一環として戦争を必要としている国では,世論を沸騰させる装置を準備しておく必要がある. 米国は官僚の国である.私がもし米国の官僚だったら,そういう装置を常備して,最小限の日数で発動できる状態にしておくと思う.そして時の大統領から要請があれば,即座にそういうオプションを提示できるようにしておく. 何度も書くけれど,米国は民主主義をタテマエとするが,戦争なしで生きられない国であるらしい.そういう国にとって,軍備と世論誘導装置は車の両輪であり,国の政治機構はこの両方を準備しておく必要がある.軍備だけでは戦争はできないのである. 9.11は米政府が仕組んだもの,という見方は「陰謀論」として,トンデモ科学の代表のように扱われる傾向がある.意図的に仕組まれたにしては,あまりに手がかかりすぎるし,あまりに多くの人をだます必要があるし,あまりに多くの犠牲者を出している. もちろんブッシュ大統領が突然そういう陰謀を思いついて,実行を指示したというのなら,それは不可能だと言うしかない.しかし上で述べたように,もし米国が,「軍備」とともに「陰謀」もまた日常的に用意されているような政治システムだとしたら,陰謀(自作自演)の可能性もそう簡単に否定できるものではない. 非常識と非科学とは意味がちがう.常識で理解できないものにトンデモ科学という烙印を押して思考停止してしまうのは,それこそ非科学である. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 22, 2010 04:28:30 AM
コメント(0) | コメントを書く |
|