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小沢一郎を支持しようと思う.
理由は色々ある.ここでは菅原文太との対談をとりあげる.出典は「まんがイラストぼうごなつこのページ」 http://bogonatsuko.blog45.fc2.com/ である. この対談で小沢一郎は次のように発言している(抜粋).便宜上,番号とタイトル(下線部)を付けてみました. 1.官僚との関係について 政治家が「こういう国づくりをしたい」と,だから「この方針に従って,具体的な行政をあんたらやってください」と,「その結果はオレが責任とる」と,言えば彼ら(官僚)はやりますよ. その,「何かお前たち考えろ」と, 役人の考える範囲というのは今までの基本方針を大変更するということはできませんから.既存の積み上げということになります.それでその中で何か知恵を 絞って持ってって,うまくいかなければ「お前らけしからん」「役人けしからん」と,役人のせいにされちゃう.これじゃぁたまったもんじゃない. 2.政治の変革について そのときそのときで,一人を悪者にして,肝心な世の中の仕組みや政策やそういうものが全然改革されないで終わっちゃってるんですね.その場その場で.そこが僕は非常に問題だと思っていますね.で,何か起こるたびに,規制が強化されるんですよ.規制強化というのは官僚の権限を大きくするだけなんですよ.これがほんとに繰り返しなんですよ,日本の. これが小沢一郎の発言である.じつに要点を押さえている.明快である. 第1の論点.日本の政治システムの最大の欠点とも言えるものは,責任者の不在である.役人の仕事は,波風を立てないこと,丸くおさめることである.だから基本的に保守的である.「何かお前たち考えろ」と言われたら考えるだろうけれど,それには自ずと限界がある. 政治家は役人とは違う.国民から投票によって選ばれ,政治を委託された人々である.その委託を基礎に,正しいと信じることを実行するし,指示を出す.その政策や指示について責任をとるのは,もちろん政治家である. 尖閣諸島の問題が起こったとき,菅直人とその閣僚たちがとった態度は,この正反対だった.中国船の船長の逮捕や保釈など一連の決定は,おそらく彼らは裏で指示していた.しかし表向きには自分たちの関与を否定し,現場が勝手に判断して行動したことにした.政治家が表に出ることなく,ひたすら責任逃れに終始したのだ.そうすることで,およそ政治家の名に値しない小物であることを,彼らは自ら実証して見せた.地方の小役人だって,もっとマシな責任のとり方をするものだ.今の総理大臣は「小役人」以下である. 第2の論点では,小沢氏は2つのことを言っているが,後半のほうに注目したい.政治家が何か「改革」をする.その改革路線に沿って,官僚が仕組みをいじる.その結果は必ずと言って良いほど「規制の強化」であり「官僚の権限拡大」である. 小沢氏の発言した範囲を越えて勝手に補足する. 私は学生時代,大学のさまざまな規則が,必ずしも教授会の意向でないことを知り,とても不思議に思った.法律に基づくのかというと,そうでもないと言う.多くは文科省(文部省)からの「指導」によるのだと聞いて,また驚いた.つまり大学がすべきこと,してはいけないこと等は,法でも教授会でもなく,役人の裁量(指導)によって決められていた.今も多くの分野で,似たような構造があり,それが日本の常識らしい.民主主義の原則から言えば,この「常識」は再検討されねばならないだろう. もう少し,話を拡張する. クルマの「一旦停止」の話を前回書いた.必要性の有無にかかわらず「止まれ」というルールにしたら,取締まりが容易になる.つまり役人(交通警官)の仕事のやり易さを優先すれば,「必要以上の規制」になりがちである. 「必要以上の規制」は,「一旦停止」のように法に基づく場合もあるが,役人に任せた結果であることも多い.たとえば(私の近所の話であるが)「ここにゴミを捨てるな」と指示するだけでなく,そのエリア一帯を「立ち入り禁止」にしてしまう.このように,役人としては自分たちが仕事をやり易い(取締まり易い)ようなルールにしたいだろうし,任せられればそうするだろう. こうした「必要以上の規制」の積み重ねが,昨今の日本でしばしば感じる,社会の「窮屈さ」の原因ともなっている. さらに話を拡げてみよう. 政治家が何か改革をしようとすると反対意見が持ち上がる.さまざまな調整の結果,複雑なルールができあがる.ルールが複雑になれば,役所が費やす人件費も増える.たとえば高速道路の料金体系を複雑に設定すれば,それに対応できる人材をゲートに配置せねばならない.単純に一括無料にすればゲートそのものが不要になる. また,あまりに複雑なルールは,一般国民が普通の知識で対応するのは不可能である.すると,そのあたりの法律とか書類作りに詳しい人が重宝されることになる.さまざまな企業や,特にNPOが,元お役人への依存を強め,こうしてお役人の退職後の天下り先がたくさんできる. こうした「役人天国」の拡大は,しばしば民間の「産業の空洞化」と同時進行で起こる.機械を組み立てるよりも,書類を書くほうがカネになる,というような社会になっている.そういう社会の雰囲気を子供が敏感に感じ取り,その結果として子供の「理科離れ」が起こっている,のかもしれない. 私の拡大解釈の部分を差引いたとしても,小沢一郎が指摘している問題は,けっこう奥が深い.このような重みのある,受け止め甲斐のある言葉を,菅直人や仙谷由人の口から聞いたことがない.いま民主党は2つに割れようとしている.誰が残るべきか,誰が出て行くべきか,民主党員はしっかり考えた方がよい. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 29, 2010 04:11:34 AM
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