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ひさびさの日記.今日はクルマの話です.
自動操縦のクルマが脚光を浴びているらしい.人が運転しなくても,クルマが自分で「運転」してくれる.障害物を感知して停止したり,障害物を避けて進んだりしてくれる. NHK「クローズアップ現代」がこの話題を取り上げていた.聞くともなく聞いていたら,高速道路でカーブを曲がるときは,ハンドルやブレーキの操作が重要だと言っている.「えっ?」と思って画面を見た. ドイツの自動車メーカーの話だったと思うから,ドイツ語でしゃべっていたのだろうか.それが日本語に翻訳されてテレビから聞こえて来た.「ハンドルやブレーキなど」という趣旨だったのだろうか.私にはこの「など」が聞こえなかった. 高速でカーブを曲がるとき,ハンドルやブレーキとともに重要なのがアクセルの操作だ.あまりに常識的なことだと思うけれど,知らない人は本当に知らない.クルマへの依存度は高いけれどクルマ自体には関心がなくて,知識もない,という人のために,少し解説をしようと思う.「ハンドルやブレーキ」だけでは何故ダメなのか.なぜアクセル操作が重要なのか? アクセルを踏むとクルマは速度を上げる.この状態を「加速傾向」と呼ぶことにしよう.そういう語があるかどうかは知らない.私の造語である. で,逆にアクセルを緩めるとクルマは減速する.この状態を「減速傾向」と呼ぶことにする.ブレーキを踏んでも同じこと. 加速傾向: アクセルを踏んで,クルマが加速ぎみの状態. 減速傾向: アクセルを緩める,またはブレーキを踏んで,クルマが減速ぎみの状態. 加速傾向のときは,車重は前輪よりも後輪に大きくかかる.つまり前輪が浮きぎみになる.そのぶんハンドルがききにくい.しかしクルマの安定性は高まる. 減速傾向のときは,車重は前輪に大きくかかる.従ってハンドルがきき易い.一方,クルマの姿勢は不安定になる. 障害物のない広い場所で試してみると良い.ハンドルを一定の角度に保ってクルマを走らせたら,クルマは正円を描いて走行する,だろうか? 答えは「ノー」である.クルマの走行はアクセルの踏み具合に影響される.ハンドルの角度が一定でも,アクセルを踏んだ状態だと,クルマは曲がりにくい.アクセルを緩めると,クルマはスッと曲がる.この効果がどれほど大きいかは,自分で実験してみると良い.ただしクルマを何かにぶつけても私は責任をとりません. 急カーブ,たとえば90度の左カーブを曲がるとき何が起きるか? 西向きに進んでいたクルマが,最終的には南向きに姿勢を変える.このときクルマは西向きの,つまりクルマにとって右向きの,慣性力を受ける.この慣性力はクルマがカーブを曲がりきろうとするとき,つまりカーブの最後のほうで,最大となる.車体は大きく右に傾き,横転の危険もある.ここはクルマを「加速傾向」にして切り抜けるべき場面だろう. カーブの入り口付近では「減速傾向」にして,ハンドルがきき易くする.カーブの出口付近では「加速傾向」にして,車体の安定を確保する.これが教科書的なカーブの処理法だ.これはブレーキではなく,大半はアクセル操作で処理する. 高速でカーブを曲がるとき,「ハンドルやブレーキ」だけで処理するのは難しい.そういう基本的なことを,あのドイツ人(?)技術者は理解しているのだろうか? それともNHKの誤訳? 何につけ「最先端」や「最新」の好きなNHKだけど,ずいぶんお粗末な最先端だ,という印象をもってしまった. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 25, 2013 04:15:24 AM
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