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集団的自衛権を認めるべきか否か.なるほどゲーム論的に考えれば,憲法など無視して戦争をできる国に日本を造り変えて行くことが良さそうに見える.しかしこの「ゲーム」は複雑で,こちらの姿勢により相手の姿勢も変わり,それに応じてこちらの姿勢を変えねばならない.ゲーム論的に最も良さそうに見えた解,つまり集団的自衛権を許容して米国との軍事関係を密接にして行くという選択肢には,じつは多くの難点がある.今回の安保法制(戦争法案)が国会を通過すると,何が起きるだろうか.
いろいろな事が起きます.その1つは,日本が米国の属国となること.みんなよく知っている通り,今すでに日本は米国の属国である.米国から求められるものは何でもOKせざるをえない.そうでない実例を1つでも挙げられますか? そう,米国は日本政府を意のままに操ることができる.ただし1つだけ例外がある.それが「自衛隊の海外派兵」です.これだけはできない.憲法9条があるからです.日本にとって米国がいかに親しい友人であっても,いかに厳しい上司であってもダメ.憲法とはそういうものだ.この憲法を日本に「押しつけ」たのは米国だけど,その「押しつけ」た張本人であっても,憲法の趣旨は曲げられない.日本は「独立国」というタテマエですからね. もちろん,これにも例外はある.それは日本国ご本人が「いや,憲法の趣旨を曲げても良いですよ」と言った場合です.政府が憲法の趣旨を曲げる? いや憲法とはそういうものじゃないでしょう,と米国は思うかもしれない.しかし,すべては日本人と日本政府が決めること.米国がとやかく言える問題ではない.「独立国」ですからね. というわけで,安保法制(戦争法)が通ったら,米国は喜んでこう解釈するでしょう.そうか.憲法に書いてあっても構わないんだ.日本は戦争に参加できる国なんだ,と. つまり今後は,米国の求めがあっても軍を出せない(9条があるから)という従来の言い訳が通用しなくなる.これは後戻りできない.つまり,一旦その論理が通ってしまったら,もう米国からの要請を断る理由として9条を持ち出せなくなる. 今までは,米国の属国とならないために,9条は防波堤であった.この防波堤を日本は自ら破壊してしまった.もう効かない.もう米国津波を防げない.これは「集団的自衛権」を容認した場合に生じる,大きなマイナス点だと私は思います. マイナス点はこれだけに留まらない.それはまた今度. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 7, 2015 04:50:18 AM
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