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前回の続きです.
![]() この表では中国が日本本土を,I. 攻撃する,またはII. 攻撃しない,という2つの可能性を比べている.前回と少し言い回しが違うけれど,さし当りそれは大きな問題ではない. これらの可能性に対し,日本側の戦略として,A. 集団的自衛権で対応,または B.個別的自衛権で対応,という2つの選択肢がある,と考える.2つの可能性と2つの対応策.大地震の場合と同じように,それぞれの組み合わせに対して予想される「利得」が数字で表わされている. この利得表に対しミニマックス原理を適用すれば,もちろん A. 集団的自衛権,がミニマックス解となる.つまり「集団的自衛権」は数学的に正しい選択肢ということになる.はい,一件落着. とは行かないのが政治の世界.では何がダメなのか.この表のどこに欠陥があるのか.そのあたりを考えてみたい. 先に進む前に,一言. 「もし中国が攻撃してきたら」ということを強調する人たちは,無意識的にこの「ミニマックス原理」のような思考をしているのでないだろうか. そういう思考は間違いである.少なくとも今の日本が直面していると言われる安全保障問題を考察するうえで,適切なモデルとは言えない.なぜならば, 1.集団的自衛権を採用する,とは言い換えれば,米国の手先になって戦争をするということだ.その場合の得失はA-I の場合は 0,A-II の場合は -10 となっているけれど,その程度のものだろうか.日本が失うことになるカネ,人命,信用を,もっと検討する必要があるのでないか. 2.地震と外交は違う.日本がどの戦略を採用するかによって,中国側の対応も変って来ると予想される.日本が A. 集団的自衛権 を採用すれば,中国としては防衛上,日本本土を現実的な攻撃対象とせねばならない.一方,日本が B. 個別的自衛権 の範囲に留めるならば,中国側が日本本土を攻撃する合理的根拠は薄れる. 続きはまた今度. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 3, 2015 12:33:30 AM
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