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日本語を横書きで書くとき,私は句読点としてマルとテンではなく,ピリオドとコンマを使用している.昔からそうしているけれど,これに難クセをつける人もいなかった.ところが最近は,ピリオドやコンマの使用を批判する人が出てきた.日本人ならマルとテンを使え,という単純な理由からだ.それだけ? そう.それだけの理由だ.こういう批判をする人は右翼的な立場の人ばかりだ.それだけ日本が「右傾化」したということかもしれない. 私は自分自身の体験から,マルとテンは横書き日本語では不便であると感じて,自分なりの理由でピリオドとコンマを使っている.そのようなことを人前で言うと偉そうに聞こえるし,そっと私だけの試行として続けて来た.しかし今や「日本語だからマルとテンにしろ」などと強制される時代になったようだ. 本来の日本語は縦書きだった.しかし近年は横書きの日本語が増えた.横書き日本語はパソコンやスマホの普及で一気に加速した.それに伴って,本来の縦書き向き句読点のルールは見直しを迫られることになった. マルやテンをどうするか? をとにかく解決せねばならなかった人たちがいる.たとえば日本語入力のソフトを作った人たちだ.文章を縦書きでプリントアウトするとき,マルはマス目の右上に置くのが最も見た目が良い.しかし横書きの場合は,これでは使えない.横書き用のマルはマス目の左下に置くのが良い.つまり同じマルでも,横書き用と縦書き用とが必要になる.テンについても同様だ. 特にテンは,横書き文では見苦しい.テン(読点)は文章を読む時の切れ目である.縦書き文の中にあるテンは,たしかに「ここで一息ついで」という小休止の符号として説得力がある.しかし横書き文で表れるテンは,「小休止」というよりは,ダラダラと次に続くような印象の符号となる.テンよりもコンマのほうが,視覚的にずっと説得力がある. 日本のお役所が採用している句読点の基準やガイドラインでも,コンマには市民権がある.「日本語だから,ルールだから,だからマルとテンを使うべきだ」などとお役所は考えない.いろいろな議論を経て,「伝統」と「使い易さ」の間の適切な妥協点に落ち着いたのだろう.コンマの使用は推奨される.しかしマルはマルで良いではないか,というのが,この妥協点だ. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 6, 2019 06:30:04 PM
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