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2006.12.03
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カテゴリ:ライブ

                                                      鴉よ.JPG

四つ葉昨日の午後
近所の「さいたま芸術劇場」に、
「鴉よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる」
と言う劇を見に行きました


「蜷川幸雄」率いる全員55歳以上の一般公募で
集められた劇団「さいたまゴールド・シアター」の公演です。

さまざまな経験をされてきた、高齢者と言われる方々が
、どのようにご自分の人生を役に投影させ、
表現なさるのか興味がありました。
そして、多分わたしにエネルギーを与えてくれる
そう信じていました。

当日売りで受付の人が
「予備席で背もたれのない椅子になります。」とすまなそうに
おっしゃったのですが、劇場のお兄さんに案内されたその席
はなんと一番前!びっくり

しかも、舞台ではなく稽古場(客席は階段状になっている)
なので役者さんたちと一体化してしまうような場所なのでした。

物語はかなり個性的な30人の老女たちが
裁判所を占拠、被告人の孫ふたりを助けるつもりが
次第に裁判官、検事、弁護人を自分達で裁いていき、
果ては孫である若者にも死刑宣告をするなどという、
ありえないお話...

何だ、なんなんだ、これは...
すごい!!
一日経った今も、頭から離れません。

しかし、それをどう表現していいのか...
まさに「心あまりてことば足らず...」なのです。

まず、最初に出演者全員が水槽の中に胎児さながらに
体を縮めて入り、そのうちの一人が立ち上がり
客席に向かい、
「何をみてるんだ!!
俺たちも同じように面白い事をさがしているんだ!」
と言うようなセリフを吐き、
それが終わると、上から黒い重いカーテンがドサッと
床に落ちてきて、度肝を抜かれます。

さすが!の演出...

それから考える余裕もなく
蜷川ワールドにどんどん引き込まれていきました。

30人の老婆たちは、誰もが、
無分別で無秩序で猥雑な人たち...。
これを演じる役者さんたちは物凄くエネルギッシュ。
多分平均年齢 70歳近いと思います。

もし、こんな人が電車に乗ってきても、
絶対席は譲らない...と心の中で思うアラネアなのでした。

あとで検索してみてわかったが、あの若者を相手に
こちらがはずかしくなるような
衝撃的な演技を見せていた方(寅婆)がなんと

80歳!  ひえ~~~

その他弁護士役の方も70歳以上だが腹筋われてた!

婆さん達の中で主役級である鴉婆が終盤になって言う...

「若者は死んだ、これからは恥で黒く汚れた私たちが
若者に替わるしかない。」

恥と憎悪で真っ黒になった鴉が、権力から発射された
弾丸を体にこめ再生する...
やっとこの劇の題名の意味がわかりました。

しかし、再生した若者たちも最後は全員撃たれて
死んでしまう...

後で知ったのですが、
この戯曲(清水邦夫作)は1971年に
初演されていたのです。

だから、若者のセリフが
アジ演説みたいで古いと思ったんですね。

その初演の時は、
蟹江敬三/緑魔子/真山知子/湯浅実/
石橋蓮司/山谷初男/

などなど、そうそうたるメンバーだったのですね!

鴉婆に緑摩子、納得!です。

真山知子さんは蜷川さんの奥さんですね。
セクシーな寅婆の役にピッタリだったと思います。

今回、弁護士役の方が、とてもいいと思いました。
真面目であるかと思えば、ちょっとイイカゲンで
ユーモアがあり、その演技が光っていました。

実はその役は初演の時は、石橋蓮司さんだったんだ!
うわ~見たかった。
あ、そうか、緑摩子さんとご夫婦なんだっけ。
全員30代でこの役を演じたのですね。

アングラ劇…と言っていいのでしょうか。

1960年代は唐十郎率いる状況劇場、
寺山修二主催の天井桟敷、などアングラ劇団最盛期でした。
当時、まだ少女だったわたしには過激過ぎて、
ちょっとついていけなかったのですが、
今、もう一度研究してみたくなりました。

1971年は学生運動が少し下火になりつつ
あった頃でしょうか?

なんだか、自分の胸の中にいろんな思いが去来してきて
収集つかなくなり、うまくまとめる事ができません。

   ...が、とにかく、見て良かった、面白かった公演でした。手書きハート

権力に決してひるまない、婆さんたちの姿に共感しつつ

プライドがずたずたになる男性たちの悲哀を感じ、

灰になるまで、女...の凄まじきエロスにどぎまぎしました。びっくり

これで、入場料1500円て安い!です。

役者人生ではない、人生を送ってきた方たちの
異色な光を放つステキな劇団だと思います。

なにかとっても、純粋なものを感じました。
わざとらしさ…とかが無いんです。
「年がいもなく」とか「もう年だから」って言葉、死語にしたいです。
いつからでも、遅くはないんだな、やりたい事やるのって…

ぜひぜひ、今度はこの方たちに
書き下ろしの脚本で演じて欲しいです。
今をときめく、若い脚本家のかたを期待します
勝手に、そんなことを思ってるのですが…ウィンク

ちなみに、なんですが、
上演される前にも、後でも蜷川さんがロビーにいらっしゃいました。
客席にも後ろの方にいらっしゃたようです。
ニコニコしてやさしそうな方でした。
でも、稽古はきびしかっただろうな~

 

 

 






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最終更新日  2006.12.03 21:20:43
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