世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席している有力経営者の間で政府や金融当局の危機対応力の欠如に対する警戒感が強まってきた。会議を連鎖的な株価下落や米景気後退への懸念が覆い、23日夕の討議では「リーダーシップの不在」を最大のリスク要因と考える経営者が最も多かった。一方で地球温暖化など長期的な問題が後回しになるとして過剰反応をけん制する声も出ている。
23日の全体会合では、世界経済のリスク要因について最高経営責任者(CEO)ら参加者による電子投票を実施。「協調的な対応や指導力の欠如」を挙げる経営者が18.5%、「現在の危機対応の失敗」が18.1%と合わせて4割弱を占めた。
米連邦準備理事会(FRB)は22日に0.75%の緊急利下げを実施したが、その後も株式相場の乱高下が続いている。米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授は、中央銀行が「インフレ退治」に集中するあまり、米住宅バブルの崩壊を予見できなかったと批判した。
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最終更新日
2008.01.24 14:48:30