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カテゴリ:吹奏楽
開催日:2023.10.28(土) 10:00開演
場所 :上田市交流文化芸術センター サントミューゼ小ホール(320名収容) 第2回サントミューゼ 新進演奏家リサイタル 第2次選考会へ行ってきました。 プログラム No.1 尾藤 あづみ(フルート) ピアノ:平野 未紗 ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調 作品283(第1楽章) No.2 三津目 雫(フルート)※高校三年生 ピアノ:深沢 雅美 プーランク:フルートとピアノのためのソナタ(全楽章) No.3 浅野 実咲(オーボエ) ピアノ:深沢 雅美 サン=サーンス:オーボエ・ソナタ作品166(全楽章) No.4 甘利 未侑(サクソフォン) ピアノ:日高 真希 ドビュッシー:ラプソディ No.5 今井 裕太(トロンボーン) ピアノ:木内 貴大 サルツェード:協奏的小品 No.6 平間 美羽(トロンボーン)※高校3年生 ピアノ:平間 亮之介 ダヴィッド:コンチェルティーノ(第1、2楽章) No.7 古市 樹(トロンボーン) ヒダシュ:メディーテーション No.8 荻原 未来(マリンバ) 石井眞-:飛天生動3 No.9 北澤 麻姫(ピアノ) リスト:巡礼の都市 第2年(イタリア)より「婚礼」 No.10 小林 百香(ピアノ) バーバー:ピアノ・ソナタ作品26(第1、第4楽章) No.11 塚田 望生(ピアノ)※中学3年生 グリーグ:ホルベルク組曲より前奏曲 グリーグ:叙情小曲集より第8集「トロウドハウゲンの婚礼の日」 No.12 中島 可絵(ピアノ) スクリャービン:24の前奏曲 作品11より第1番、第5番、第6番 シチェドリン:<2つのポリフォニックな小品>より「バッソ・オスティナート」 No.13 別府 綾乃(ピアノ) ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22 No.14 依田 愛可(ピアノ) ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 作品52 レポート ライネッケ:フルート協奏曲 ニ長調 作品283(第1楽章) プログラム1番というプレッシャーもある中で、フルート特有のキラキラした音色と澄んだ響きが前面に出た思い切りの良い演奏がとても印象的で素晴らしいと感じました。 プーランク:フルートとピアノのためのソナタ(全楽章) 全楽章の演奏ということで、いろいろな色の音楽を楽しませていただきました。そしてフルートとピアノのソナタということで、深沢先生とのやり取りも大きな聴きどころになっていた感がありました。 サン=サーンス:オーボエ・ソナタ作品166(全楽章) こちらの曲は昨年8月に飯山市文化会館の小ホールで行われたオーボエ(藤井貴宏氏)&ピアノ(原田愛氏)のDUOコンサートにおいて、藤井氏が大曲ですがまずオーボエの音色を知っていただきたいということで1曲目として演奏し、私の中では比較的強く記憶に残った楽曲となったこともあり、まず曲の出だしでそのことに気が付いて、その後は記憶に残る藤井氏の演奏をなぞるような印象で曲を楽しませていただきましたが、改めてオーボエという楽器の魅力を再確認した次第です。 ドビュッシー:ラプソディ フラットがたくさん付いているドビュッシーの楽曲という印象がありましたが、それがサクソフォンの艶と深みのある音色とうまくマッチしてとても味わい深い演奏と感じました。また今回の出演者の中では唯一のシングルリードの楽器でもあり、応援したいという気持ちが沸き上がってきました。 サルツェード:協奏的小品 今回ピアノに次ぐ3人がエントリーするトロンボーンの1番手として金管楽器特有の太い音色を感じました。そして楽譜の指示と思いますが、後半部にはミュートを使ったわりと長い演奏がありましたが、ミュートを使うと見ているこちら側の方が誤って落とさないかハラハラするところがあり、間違ってミュートを落として「ドン、ガラガッチャン!!」ならないよう祈りながら演奏を拝聴することとなりました。 ダヴィッド:コンチェルティーノ(第1、2楽章) 世の中狭い…ということで、つい先々週の上田ブラスフェストのまちなかコンサートで演奏を聴いたとても元気な高校3年生の平間さんの演奏を再び聴くこととなりました。印象としては、強奏部の力強さとハリのある音色が、トロンボーンの直管楽器ならではの魅力であり、彼女の長所でもあるのかなと感じました。 ヒダシュ:メディーテーション 同じトロンボーンでも、バストロンボーンということで、その太い音色と低音部をよりアピールするような曲がとてもはまっていた感がありました。このあたりは、元ウィーン・フィルのバストロンボーン奏者カール・ヤイトラー氏を彷彿とさせる雰囲気もあって親しみを覚えました。 石井眞-:飛天生動3 これまでマリンバといえば塚越慎子氏、名倉誠人氏など著名な奏者の演奏を聴いて参りましたが、荻原未来氏もあちこちでお名前を拝見している印象があり、新進演奏家のリサイタルでその演奏を拝聴できるとは予想していなかっただけに、驚きと期待の中で演奏を楽しませていただきました。そして演奏は、マリンバという楽器を通して自分の世界観を表現するかの如くの熱演に大いに引き込まれたひとときになりました。 リスト:巡礼の都市 第2年(イタリア)より「婚礼」 今回最多の6人がエントリーするピアノの1番手としての演奏となりました。弱奏部の繊細さと強奏部の力強さのメリハリがある目の覚めるような演奏という印象を受けました。 バーバー:ピアノ・ソナタ作品26(第1、第4楽章) 第1、第4楽章ともに常に動きつづけている印象の楽曲でしたが、これだけの音数を演じ切る集中力に感銘を受けました。特に第4楽章のラストは低音部の迫力もあいまってとてもダイナミックという印象を受けました。 グリーグ:ホルベルク組曲より前奏曲~叙情小曲集より第8集「トロウドハウゲンの婚礼の日」 演奏時の楽しそうな表情がとても印象的でした。私自身日頃演奏活動をする中で、「もっと楽しそうに演奏して。」と言われるものの、余裕が無くてなかなかそれができない訳で、それができるには相当練習を積んで楽しむ余裕が生まれているのだろう…と思うところがあります。特に2曲目のトロウドハウゲンの婚礼の日は曲想が楽しそうなこともあって、見聴きしているこちらも楽しくなってきた感がありました。 スクリャービン:24の前奏曲 作品11より第1番、第5番、第6番 シチェドリン:<2つのポリフォニックな小品>より「バッソ・オスティナート」 24の前奏曲から3曲の抜粋ということでしたが、華のある第1番、しっとりした第5番、嵐のような第5番と構成的なまとまりが素晴らしいと感じました。続く「バッソ・オスティナート」は、時を刻むような動きのもと、低音部の力強さと高音部の繊細さの融合が素晴らしいと感じました。 ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22 前半部のゆっかり感は、ピアノはやっぱりショパンがしっくり来ると感じるステキな演奏でとても心が安らぎ、後半からの大ポロネーズと堂々たる音楽に心躍らせました。この2段構造の音楽を存分に堪能させていただきました。 ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 作品52 ショパンといえばバラード第1番という印象がありますが、この4番もまた独特のテイストを感じるところがあり、より深く聴いてみたいと感じさせる深みのあるステキな演奏で、ショパンの世界にどっぷりとつかることができました。 まとめ 選考会ということで、順位をつけなくてはならないリサイタルになりますが、どの奏者もそれぞれ自分の持ち味を生かした素晴らしい演奏をしており、一聴き手として純粋に新進演奏家の演奏を楽しむひとときとさせていただきました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 4, 2023 03:44:31 PM
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