第54回 全日本吹奏楽コンクール 一般の部
開催日:2006.10.29(日) 12時05分開演場所 :宇都宮市文化会館(2,000名収容) 吹奏楽コンクールの全部門中最も編成が大きく迫力があるのが一般の部で、アマチュアとはいえCDを発売している団体や定期演奏会は常に満席という人気の団体が数多く出場しているためその盛り上がりようは吹奏楽コンクールを締めくくるにふさわしいものでした。課題曲 1.架空の伝説のための前奏曲 2.吹奏楽のための一章 3.パルセイション 4.海へ...吹奏楽の為に 5.風の密度*一般の部* 表彰 支部 団体名 課題曲 自由曲1.銀 関西 大津シンフォニックバンド 5 Dithyrambos for Wind Orchestra 2.銅 九州 松陽高校OB吹奏楽団「緑」 1 バレエ音楽「白鳥の湖」より 3.金 東関東 土気シビックウインドオーケストラ 5 組曲「惑星」より 木星4.金 西関東 川口市・ 5 鳳凰が舞う アンサンブルリベルテ吹奏楽団 ~印象、京都、石庭、金閣寺~ 5.銅 九州 J.S.B.吹奏楽団 3 「交響組曲第1番」より 6.銅 北陸 百萬石ウィンドオーケストラ 3 「スペイン狂詩曲」より 祭り 7.金 東北 大曲吹奏楽団 3 ゴシック8.銀 東海 浜松交響吹奏楽団 5 交響組曲「ガイア」第2楽章より 9.金 西関東 川越奏和奏友会吹奏楽団 5 「祝典のための音楽」より 1.ファンファーレ 2.間奏曲 3.舞曲 10.銀 東京 東京正人吹奏楽団 1 ウインド・ブリッツ11.銀 東関東 横浜ブラスオルケスター 5 吹奏楽のための風景詩 「陽が昇るとき」より1、2、4 12.銅 中国 倉敷市民吹奏楽団 3 4つの交響的印象 グリーンハーモニー 「教会のステンドグラス」より エジプトへの逃亡、大天使ミカエル13.金 関西 創価学会関西吹奏楽団 1 「科戸の鵲巣」吹奏楽のための祝典序曲 14.銀 北海道 ウィンドアンサンブル ドゥ・ノール 3 「ハリウッド組曲」より 15.銀 東北 名取交響吹奏楽団 1 シダス16.銅 四国 BMSウインドアンサンブル 5 空中都市「マチュピチュ」~閉ざされた太陽神殿の謎 レポートどの団体も素晴らしく圧倒された...言葉に尽くしがたいというのが感想です。その中でも特に印象に残った団体の演奏について感想を書いてみました。3.土気シビックウインドオーケストラ東関東大会で既に度肝を抜かれているのですが、再び聴いてみるとさらに度肝を抜かれました。特に自由曲における圧倒的な音量とそれに支えられた重厚なハーモニーは日本一だと思いました。金管から木管への旋律の受け渡しやトランペットのファンファーレや低音楽器の地鳴りのような響き...いつもまでも終って欲しくないと思う素晴らしい演奏でした。演奏終了後、かなりの人が「ブラボー」を連発していたようでした。4.川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団繊細なハーモニーが特に印象的でした。自由曲の「鳳凰が舞う」はまさに日本文化の素晴らしさを音にしたようなイメージでした。ある意味土気シビックとは対照的な吹奏楽のもう1つの魅力を体現した演奏で、これまたいつまでも終って欲しくないと思う素晴らしい演奏でした。もちろん「ブラボー」は会場のあちこちから飛び出しました。8.浜松交響吹奏楽団自らの楽団のカラーというものをしっかり持っている団体だと思いました。そういった意味では課題曲を課されるコンクールという場では不利に働くかもしれないのですが、東海大会ではそれを超越して神がかり的な演奏で全国への切符を手にしたのは記憶に新しいところです。特に今回の交響組曲「ガイア」第2楽章は、「人類が地球環境に及ぼす影響を考察する楽章。-文明の発展、戦争そして崩壊-」と今後人類が最重要課題として考えなければならない環境問題へ一石を投じた作品として非常に重い内容なので、これを演じるのは大変な表現力が必要になるのは間違いないと思われます。曲の中で印象的なのは冒頭の夜明けをイメージさせる木管のフレーズで、この霞がかかったような響きにはただただ感心するだけ...。そしてユーフォニウムのカデンツァはおそらく「文明が発展してきたら、あちこちでいがみ合いが始まりついに戦争が始まった!」というようなことを言っているのだと思うのですが、あたかもしゃべっているような表現力が素晴らしく、そこからはただ恐ろしいだけ...。あとは文明の崩壊へとまっさかさま・・・。とにかく音楽を超越した何かを感じさせる演奏でした。7月から始まった吹奏楽コンクールもあしかけ3ヶ月という長い期間をかけてここに終結した訳ですが、中学の部が6,549団体、高校の部が3,278団体、大学の部が177団体、職場の部が27団体、一般の部が554団体で合計10,585団体が同じ課題曲を演奏し、全国大会目指して練習に励んでいるのはある意味すごいことだなぁと思いました。さらに10,585団体以外にもコンクールには出ないが課題曲を演奏している団体も多い訳で、このあたり吹奏楽コンクールが日本の吹奏楽団体に及ぼす影響はガイアの人類なみであろうと思いました。コンクールに出場された10,585団体の皆様は大変お疲れ様でした。そして素晴らしい演奏の数々ほんとうにありがとうございました。