メセナ市民交響楽団 第11回定期演奏会
開催日:2024.4.28(日)14:00開演場所 :須坂市文化会館メセナホール(1,124名収容)楽団発足から14年目となるメセナ市民交響楽団の第11回定期演奏会に行ってきました。前半1.プッチーニ/交響的前奏曲 イ長調2.シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 ピアノソロ 中野孝紀 第1楽章 Allegro affettuoso 第2楽章 Intermezzo:Andantino grazioso 第3楽章 Finale:Allegro vivace ソリストアンコール シューマン/献呈 S.566 R.253(リスト編) 後半3.ベートーヴェン/交響曲 第2番 ニ長調 作品36 第1楽章 Adagio molto - Allegro con brio 第2楽章 Larghetto 第3楽章 Scherzo : Allegro 第4学習 Allegro moltoアンコール4.ビゼー/アルルの女 第二組曲 第4楽章 ファランドールレポート交響的前奏曲 イ長調曲目解説によれば後にオペラ音楽の大家となるプッチーニが24歳の大学院生だった頃の作品とのことでしたが、プッチーニ独特の夢のように憂鬱な旋律を持つという作風は既に出来上がっており、プッチーニ以外の誰の作とも考えられない…というコメントがまさにその通りだなと思いました。前奏曲ということもあり、トロンボーン・チューバまで一通り揃った大編成での演奏となりましたが、盛り上がるのは中盤という感じで、終わりはまた夢の中へという風情がなんだかとても神秘的な感じがありました。ピアノ協奏曲 イ短調 作品54曲目解説によれば、1968年当時にテレビで放映されていた「ウルトラセブン」の最終回に主人公のダン隊員がアンヌ隊員に自分の正体を告げる瞬間に流れる曲であるとのことでしたが、このヒーローの正体隠しというシチュエーションは、スーパーマンであったり、藤子不二雄のパーマンであったりと、ある意味お約束なところもあるのかなと想像しつつ楽しませていただきました。楽曲は、シューマンらしいとてもきれいなメロディーを持っており、素晴らしいピアノソロの音色の心地よさは抜群のものがありますが、それに絡む木管楽器クラリネット・オーボエの活躍も目立っているように感じました。献呈シューマンのピアノ協奏曲のソリストアンコールは、予想通りこの曲が演奏されました。シューマンが結婚に際してクララに贈った愛情にあふれたとてもやさしい曲ですが、ピアノソロ用にリストが編曲したものは、あまりに煌びやかにしてしまったことから被献呈者のクララから「作曲家の思いを無にする技巧的な装飾なんて要らない」と言われてしまったという逸話があり、当時のリストがそれを知って苦笑いしたのかしなかったのか…。とはいえ原曲のやさしい雰囲気はそのまま残されており、この曲を世に広く送り出した功績も大きいものがあるのでは…ということで曲を聴いた後とても暖かい気持ちになりました。交響曲 第2番 ニ長調 作品36曲目解説によれば、ベートーヴェンの9つの交響曲は、一般的に奇数番号の曲が多く演奏され、偶数番号の曲の演奏回数は少ないとのことで、それは偶数番号の方が演奏するのが難しいからとのことでしたが、昨年この時期に松本モーツァルト・オーケストラ ベートーヴェン・シンフォニーシリーズで第4番「恋心」を聴く機会があり、その時も確か難しい曲と言っていたような…とつながった次第ですが、メロディーメーカーのベートーヴェンらしさはあふれており、そこは作曲者の意思が終始強烈に伝わってくる印象がありました。アルルの女 第二組曲 第4楽章 ファランドールアンコールはちょっと毛色の違う曲というイメージがありましたが、トロンボーンの奏者の方などは1曲目の交響的前奏曲以来の登場となり、出番が無かったうっぷんをいっきに晴らす意味も込めて気合の入った演奏と感じられました。まとめ昨年に続いての鑑賞となりましたが、今年は素晴らしいゲストを迎えてのシューマンのピアノ協奏曲。そしてあまり聴けない貴重なベートーヴェンの交響曲第2番ととても有意義な鑑賞のひとときを過ごすことができました。また市民オーケストラということで、見知った方の活躍を拝見することができたのも良かったです。