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雪白の月

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2012年05月19日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 天は赤い河のほとり 』 篠原千絵(1995~2002年作品)



レンタルコミックで読了 (文庫版 全16巻)。


篠原千絵の漫画は初めて。

絵柄が、ちょっと1970年代の少女漫画っぽくて古くさいけど、男性キャラや綺麗系の女性はなかなかセクシー。


日本のフツーの女の子がタイムスリップ (時間どころか、位置的にも大移動) …で、紀元前14世紀のヒッタイト帝国で大活躍って話。


私、世界史は高校でも苦手だったので、どの程度史実に基づいてるのかは、さっぱり解りません。

高校世界史レベルでは、ヒッタイトの記述なんて、どのみち教科書1ページにも満たないだろうけど。


「陰謀」 と 「恋愛」 と 「立身出世」。

…波乱万丈な歴史大河で、一気に読める面白さは買う。


『王家の紋章』 (細川智栄子) のパクリという意見もあるようだが、私は幸い、 『王家の紋章』 を未読なので、その辺は気にせず読めた。


…つうか、現代の平凡な少年少女がタイムスリップとか空間スリップで異世界行って、尋常ならざる役割を果たす…的な話は、それでなくても多すぎて、いちいち全ては思い出せないほどだ。

『十二国記』 (1991~)
『犬夜叉』 (1996~2008)
『天空のエスカフローネ』 (1996)
『今日からマ王!』 (2000~)

咄嗟に思いつくだけでもこれだけ。


そんなわけで、舞台設定がパクリかどうかはどうでもいい。

そんなことより、私が気になったのは、イマイチ伏線に乏しく余韻の残らないストーリー構成だ。


舞台設定が荒唐無稽なんだから、細かい人物設定やらストーリーやらの粗探ししても意味ないっちゃあ、その通りなんだけど。


そもそも、なぜユーリ (ヒロイン) が重要人物として、古代オリエントの地に引っ張り込まれたか…という説明が全く無い。

まあ、無くてもいいんだけど、現代での彼女の生活や性格を殆ど描かないまま (しかも、何の苦労もしてない普通の中学生風)、いきなりタイムスリップしてしまうので、なかなかヒロインに感情移入しづらい。


訓練もなく荒馬を乗りこなしたり、大男をのしてしまうのも、 「その素養があった」 から、 「運命のヒロイン」だからこそ、と言われれば納得せざるを得ないのだが、いくら何でも、彼女のバックボーンを省略し過ぎているため、メチャクチャ説得力に欠ける。


致命的なのは、そういう 「設定上の説明不足」 を無視してもどうしても無視しきれない、 「ヒロインの安っぽさ」 だ。


ヒロインの、そもそも、お前がジッとしてないから、陰謀に巻き込まれるんだろっ…ちゅう 「軽率さ」 を置いておくならば、確かに、その行動は、大胆で博愛的で、男だけでなく民衆から愛されるのも分からないではない。

でも、 「立派な言動」 や、 「いざという時の行動力」 と裏腹に、考えている内容 (モノローグ) が余りにも 「フツーの女の子」過ぎて、チグハグ感がハンパない。


中学出たての日本の普通の女の子がヒッタイトやらエジプトやらの、歴史的有名人物を次々と虜にし、求愛されまくることに少女たちは心を鷲掴みにされるのかもしれないが、おばさんは騙されないぞ。


大体、ヒロインの脚を引っ張る 「陰謀」 のやり口は少々ワンパターンだし、少女漫画としては、肉食系男子との熱いラブシーンが多く、なかなかドキドキさせられるが、後半は色んな意味で食傷し、飽きが来る。


古代文明を身近に感じさせ、興味を持たせる一助になると同時に、壮大でミステリアスだったはずの歴史を「安っぽい」 ものにしてしまっている点で、「功罪 相半ばす」 …といった風情の作品だ。








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最終更新日  2016年10月11日 23時23分49秒
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