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2015年07月20日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 Heaven? 』 佐々木倫子 (1999~2003年)



電子書籍無料版およびレンタルにて、全6巻 読了。


個人経営のフレンチレストランの内情を描くコメディ。


『動物のお医者さん』『おたんこナース』 に続く、佐々木氏こだわりの 「専門家 (職業人)」 群像劇だ。 どの作品にも共通することだが、関係者への取材等を基にリアルな業界ネタを混ぜ込んでいるので、なかなか面白い。

飾り気の無い病院内を舞台に、白衣やパジャマ姿ばかりだった 『おたんこナース』 からすると、料理や服飾などにこだわりを感じさせる作画なので、大判コミックスも、(ファンなら) 納得できるだろう。


ただ、正直、相変わらずの 「変人」 葛藤劇に、 「ちょい飽きた」 感は否めない。

最新作の 『チャンネルはそのまま!』 も含め、この作者の人物相関図は大抵、 「傍若無人」 対 「その被害者」 の関係性ばかりだ。


ワガママで自分の享楽が第一のオーナーや母親、役に立たないことを自覚すらしていない若い同僚、手の掛かる年寄りの客 等々 …に翻弄される、常識的な若者の悲喜劇。

どんな理不尽にも、今どきの若者にはあり得ないような我慢強さで対応する 「被害者」 らにマジメに感情移入してしまうと、読むのがツラくなってくるかもしれない。 (Amazonのレビューでも、 「笑えない」 という少数意見がチラホラあった)


『動物のお医者さん』 も、ワガママな教授や先輩、年寄りのオンパレードだったが、動物たちに対する愛情が全てのキャラに溢れていることに救いがあった。

『おたんこナース』 では、ヒロインの看護師が、医者や世間の目に怒ることはあっても、患者のワガママには辛抱強くあろうとする姿勢が、感動的ですらあった。


だが、この作品の場合、レストランの客のワガママを我慢するのは ある程度仕方ないにしても、オーナーや母親の傍若無人さには 余り正当な理由が見出せないので、この作者の創作パターンに慣れない読者には、イライラさせられるだけかもしれない。


しかも、佐々木さんの長編に共通する 「恋愛要素」 皆無の絶望感。 …いや、別に、何でもかんでも恋愛を絡ませろ
と言いたいわけではないのだが、佐々木作品は、いつも若者が、上司や年寄りからストレスを与えられるばかりで、恋愛要素も、その可能性すらも見えないので、なんだか、本気で可哀想になってしまうのだ。


余談だが、昔、三谷幸喜のテレビドラマ 『王様のレストラン』 (1995年) を観ていた時にも感じたが、高級レストランの人件費の 「贅沢使い」 っぷりには驚く。 料理だけでなくサービスも料金のうち …というのは分かるのだが…。 アルコールが余り飲めない私にとって、ソムリエの存在などプレッシャー以外の何物でもない。

バブル後は飲食店不況のせいか、シェフと給仕の2人だけでフルコース提供してくれる小規模レストランも増えたが、多少サービスが遅くても、人件費が掛からない分、リーズナブルなことが多いし、1人で全て作ってくれる方が味も安定してて、 (そのシェフの味が自分に合えば) 良い面も多い。

まあ、あくまでも私の個人的な感想であって、 「雇用」の面では、高級レストランの人件費が無駄だとまでは思わないが。




<関連日記>
2012.11.8. 「ブレない変人たち」 を描いた名作 ・・・ 佐々木倫子 『 動物のお医者さん 』

2012.11.28. 「バカ係」 は、これを平常心で読めるだろうか? ・・・ 佐々木倫子 『 チャンネルはそのまま! 』

2013.1.21. 「入院」 する前に 読むと良いかも ・・・ 佐々木倫子 『 おたんこナース 』












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最終更新日  2016年10月10日 23時02分19秒
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