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2016年09月01日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 Real Clothes 』 槇村さとる (2007~13年)



電子書籍無料版およびレンタルにて、全13巻読了。

実写ドラマ(2009年)は未見。


布団売場から突然、花形の婦人服売場に引き抜かれたアラサーのデパート販売員が、仕事に恋愛に悩みながらも、成長・出世していく姿を描く。


多くの働く女性がぶつかる 「仕事か結婚か」 の選択といった、普遍的な問題を押さえつつ、ファッションの流通業界をかなり専門的に紹介する内容なので、なかなか興味深く読める。

Amazonレビューには 「実態と違う」 などという批判も散見されるし、ファッションにさほど こだわりの無かった人間が トントン拍子に上司に気に入られ、実力をつけていく様は 余りにも出来すぎだとは思うが、 「仕事がデキる人は、どの分野でもある程度は成功する」 …という理屈は、案外ウソではないと思う。 特に販売や営業などは 人の心を掴む才能や誠実さが第一で、ヒロインの姿勢に見倣うべきところが多いことは確かだ。


「(肝心の) ファッションがダサい」 とか、 「昔に比べて絵が雑」 とか、 「(作者は) 社会人として外に出てないから偏狭」 と言うような 辛辣なレビューも目立つが、私が久しぶりに読んだ槇村作品の印象は、良くも悪くも 「相変わらずのセンスだなあ」 ということ。


よく考えると、槇村作品で全巻きちんと読んでいるのは 『ダンシング・ゼネレーション』 と 『N★Yバード』 の2連作 (1981~83年) くらいだが、あの時代は、くらもちふさこ、亜月裕 等と並んで 別マを支える中心的な作家さんでいらして、しかも、ただの恋愛ものでなく、デッサン力を活かして、フィギュアスケートやダンスといったプロフェッショナルな踊りの世界を描いて、一部から相応の人気を得ていたが、私的には、ストーリーはともかく、なんというか、イマイチ作風が面白味に欠けて、夢中にはなれなかった。


まず、日常描写の中にコメディ要素がなさすぎた。 …というか、笑いのセンスがそもそも弱い。 普通の女の子を強調し、特別シリアスを意識しているわけでもなさそうなのに、クスッと笑えるところがまるでない。

25年後の作品となる、この 『Real Clothes』 に至っては、かなり作者も 意識してコメディ要素を入れようとする努力が見てとれるが、絵柄をギャグ漫画風に崩すという、安易な手法ばかりが悪目立ちし、セリフそのものには、やはり殆ど笑えない。


それから、これは単に私の好みの問題かもしれないが、昔からイマイチ男性キャラに魅力がない。 日本人離れした 「長髪・美青年」 設定が多いが、内面がよく分からないままに、威圧的な面や 女々しい部分ばかり強調されて、余り夢中にはなれなかった。 今風に言えば「萌え」がないと言うべきか…。

まあ、当時から、他の別マ作家の描く男性は やたらと男前過ぎたので、ある意味、唯一 「リアル」 だったと言えなくもないが。

このトシになってみれば、この作品の田淵などは、後半になって可愛いげも見えてきて、悪くないとは思ったが、ファッション業界とは言え、メインキャラの髪型が 揃ってゲイっぽいのは、ホント、古臭いセンスだなと思う。


古臭い …と言えば、作中ヒロインが、当たり前のように 「ハッピーアイスクリーム」 という言葉を遣っていて ギョッとした。 いくらナンでも、1979年生まれ設定のヒロインは知らないのでは? 私ですら、すっかり忘れてて検索しちゃったよ。

確かに大昔に一瞬流行ったけど、余りにも意味が無い上、子供心にもダサすぎて、あっという間に廃れた記憶が…。


要するに、何が言いたいかというと、 「槇村さとるのセンスがちょっと野暮ったい」 のは今に始まったことではないので、これをみて年配の作家全般を 「遺物」 扱いしたり、ましてや、どんだけ社会を知ってるのか知らないが、漫画家を一律に 「世間知らず」 とバカにすべきではないと思う (現実を知りすぎない方が、夢を描けるという利点もある)。


ただ、当時、ダンスの類に興味がなく、なんとなく読み流していた 『ダンシング・ゼネレーション』 が、続編の 『N★Yバード』 に至ってから、恋愛面で予想外の展開を見せ、まだ少女だった私が度肝を抜かれたように、この作品も、恋愛描写については、さすがに上手いと感心させられるシーンが多々あった。




<関連日記>
2012.7.11. 天性のセンスが冴える ・・・ くらもちふさこ 『 駅から5分 』

2012.10.15. くらもちふさこ が描く 「禁断の愛」 ・・・ 『 海の天辺 』

2012.12.4. 「嫌われる」 のも大切な経験 ・・・ くらもちふさこ 『 おしゃべり階段 』

2015.3.10. 元祖 「引き延ばし系」 少女漫画 ・・・ 多田かおる 『 イタズラな Kiss 』

2015.9.5. 「教師と生徒の恋愛」 以上に 気になる問題 ・・・ やまもり三香 『 ひるなかの流星 』




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最終更新日  2016年10月10日 21時52分06秒
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