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2016年12月27日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 秘密 season0 』 清水玲子 (2012年~)



電子書籍にて、既刊4巻 読了。


死者の記憶の映像化に成功した近未来、猟奇的殺人事件捜査の過程や 捜査官らの人間模様を描いた、 『秘密 -トップ・シークレット-』 (全12巻) の続編となる作品。

1巻で 主人公・蒔剛の過去を、2巻以降では 前作から数年後の捜査官らの再会や活躍を描いている。


今回、この作品を読むにあたって、前作をレンタルで再読したのだが、 「泣けるサスペンス」 として改めて良作だと思うと同時に、初読当時からは、良くも悪くも 「変貌してしまった 読み手としての自分」 に気づいて愕然とした。

ぶっちゃけ、前作の感想 (10巻まで) を書いた時、私はまだ 「腐女子」 ではなかった。 4年半の間にすっかり腐ってしまった私は、ついつい、その立場での読み方をしてしまい、サスペンス以外の部分が 終始気になり、 (良く言えば) 妙に萌えてしまった。


よくよく思い返すと、むかし愛読してた頃の初期の清水作品も、BLを匂わせるストーリーが多かったような気もするが、当時、白泉社系の少女漫画誌では、 『日出処の天子』 (山岸凉子) のような、もっとインパクトの強い作品もあったし、それらの中では、かなりライトで上品な部類だったので すっかり忘れていたが、この 『秘密』 シリーズを読んで、改めて、清水さんも本質的には腐女子なんだろうな、と思った。


勿論、ずっと少女漫画畑で描いてらっしゃるので、直接的なエロは殆ど描かれないし、どちらかというと、 『トーマの心臓』 (萩尾望都) や 『BANANA FISH』 (吉田秋生) のような、友情や恋情を超えた 愛の形を描きたい方なのだろうと感じられるので、BL嫌いの方も 変に身構えて読む必要はない (寧ろ、グロ描写の方がキツイかも)。


腐女子の中には、BLでも何でもない スポ根少年漫画までも妄想の対象として読む方がいるようで、それ自体は全く本人の自由だが、あまり、そういう観点ばかりで読むと、作品本来の面白さを見失う危険性がある。

すっかり腐りきった私ですら、純粋な目で作品に対峙していた頃の自分に戻りたいと思うことがある。


まあ、そんなわけで、私的には 捜査官らのその後の人間模様が気になって続編を購入してしまったわけだが、勿論、サスペンスとしても、前作ほどの衝撃はないものの、相変わらず良く練られているので、お薦めできる作品だ。



<関連日記>
2012.3.29. 萩尾望都 『 マンガのあなた・SFのわたし 』…… 天才は一日にしてならず

2012.6.4. 清水玲子 『 秘密-トップ・シークレット‐ 』…… 「被害者の無念」 に寄り添う サスペンス


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最終更新日  2016年12月28日 20時57分58秒
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