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2017年05月15日
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カテゴリ:漫画・アニメ
★ 『 鉄楽レトラ 』 佐原ミズ (2011~15年)



電子書籍無料版およびレンタルにて、全6巻 読了。


中学時代、部活のレギュラー争いで仲間に大怪我を負わせたことから後悔と自己否定で引きこもってしまった主人公が、同じく挫折感の中にいる少女との出会いや高校進学を契機に自分を変えることを決意。 課外活動のフラメンコ舞踊に打ち込む過程で、家族の愛や友情の尊さに気付き成長していくストーリー。


この方の作品、初めて読んだが、まず特筆すべきは 作画の良さだ。

キャラクターデザインは万人受けしそうだし、デッサン力もあり、線が非常に綺麗。 線が綺麗な作家の絵は、ともすると静止画的になってしまうこともあるが、効果線に余り頼らずに動きやスピード感を表現出来ているのは感心した。


また、挫折少年の再起物語と言うと、学校内や、せいぜい家族関係の描写に限定されがちだが、若者だけでなく、老いて希望を失いかけた人物らにもスポットライトを当てる内容なので、広い年齢層の読者の心に響きそうな作品だ。


ただ、作者自身がフラメンコ経験者で、まず、それを描きたかったというのは分かるが、引きこもりの高校生が、いきなりダンスというのは、ちょっと無理があったような気がする。

『BUTTER!!!』 (ヤマシタトモコ) も、オタクのいじめられっ子が社交ダンス …という設定だったが、やはり奇をてらい過ぎて、一つ一つのエピソードは悪くないのに、イマイチ感情移入しきれなかった。


勿論、「取り柄のなかった少年が、才能に目覚めて大活躍」 的なストーリーは少年漫画の定番であり、あらゆるスポーツや部活動で描き尽くされている中、目新しいものにしようという意欲は買うし、フラメンコの豆知識もそれなりに興味深かったが、見世物的な舞踊は、いくら画力があっても、漫画で魅力を伝えるには限界がある上、勝ち負けや立身出世のような分かりやすい成長も見せにくく、そもそも、難しい題材だ。


こうしたマイナー素材を選択した段階で、作者も最初から長期連載は望んでいなかったかもしれないし、ダラダラと長い部活漫画が必ずしも良いというわけではないが、結局、中途半端なところで尻すぼみに終わりがちな印象は否めない。

この作品も、実際にフラメンコに取り組む描写が始まる前の段階 (1巻) が、私的には、一番感動的で期待感が高かったように思う。




<関連日記>
2014.4.3. 河合克敏 『 とめはねっ! 鈴里高校書道部 』…… 書道部・草食系男子の 恋の行方が気になる

2014.8.4. ヤマシタトモコ 『 BUTTER!!! 』…… 「友情だけが成長の糧」 という幻想を描きたがる作家たち

2014.12.8. 杉基イクラ 『 ナナマル サンバツ 』…… 部活漫画のセオリーを まともに踏襲

2015.4.17. 中田永一、モリタイシ 『 くちびるに歌を 』…… ただの部活漫画ではない、それぞれの 「幸福」 に気付くまでの物語

2015.5.9. こざき亜衣 『 あさひなぐ 』…… マイナー競技 部活漫画の限界と可能性













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最終更新日  2017年05月15日 22時16分15秒
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