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2018年04月26日
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カテゴリ:漫画・アニメ

   『 鈴木さん 』 ヤマダ (2015年~)

 

 

 

レンタルコミックにて、既刊4巻読了。

 

 

高校生たちの恋愛・学校生活をコメディーテイストに描いた作品。

 

 

全編、4コマ×2列のコマ割なので、4コマ漫画なのかと思いきや、特にコマ数や起承転結にこだわったわけでもなく、(言い方は悪いが) ダラダラと短いエピソードが続いていく。

 

ウェブ漫画であることが理由ではあろうが、前回、書いた 『溺れるナイフ』 と比べると、コマ割の工夫が全くないのは勿論、登場人物が平凡なことも含め、かなり対照的だ。

 

 

内容的には正直、1巻を読んでる間は、「失敗したかな」 と思っていた。

 

ギャグ漫画の中には、全くノリが合わず、セリフを読む時間が無駄に思えてくるものとか、セリフや内容に読みごたえが無さ過ぎて、お金の無駄と感じてしまうものすらあるが、そこそこ読める内容だとしても、延々と日常を描くばかりで、あまりにもストーリーの進展が無い (または、遅い) ものが、最近、巷に溢れ過ぎていて、それが好きという人も多いようだが、私のように、未読の電子書籍が山積みの人間にとっては、ストーリー性や感動に欠ける作品にやたら時間をかけていられないのが正直なところ。

 

これも、1巻の段階では、その手の作品という印象が勝っていて、4巻まとめて借りてなければ、2巻以降は読んでいなかったかもしれない。

 

 

そもそもの問題点として、絵柄が、万人受けはしそうだがオリジナリティには欠け (ウェブ漫画にありがちな感じ)、髪型も全員似ている (高校生の実態としてはリアルだが) 上、「鈴木」や「高橋」など、ありふれ過ぎてて却って覚えにくい名前を多用している為、キャラの区別が付くようになるまでに時間がかかる。

 

オールカラーで髪色の微妙な違いがあるから、かろうじて判別できるようになったが、モノクロだったら、そのことだけで嫌になっていたかもしれない。

 

また、途中でメインキャラとは別の、不良4人組のエピソードが差し挟まれるのだが、これが、(4巻までのところ) 本筋とほぼ無関係な為、Amazonのレビューでも賛否が分かれているが、最初のうちはちょっとイライラした。まあ、「無関係」 とわかってきてからは、却って、それなりに面白く読めるようになったが。

 

 

そんな感じで、ちょっとネガティブな先入観で読み始めた本作品だが、「話が進まない日常系」 という評価に関しては、2巻以降、徐々に払拭された。

 

4コマ漫画の延長のギャグ漫画」という意識ではなく、最初からストーリー漫画として読むべきだったかと思う。 

 

素直になれない思春期の片想いの切なさが、淡々としたセリフやコメディー調のやり取りの中に唐突に織り込まれてくるので、意表をつかれる。

 

 

終始ドラマチックな設定と展開でありながら、イマイチ共感できなかった『溺れるナイフ』よりも、この一見「日常系」の学園ラブコメの方が、少なくとも私は、そこかしこで、キュンときた。

 

無論、4コマギャグ漫画から始まって徐々にストーリーが発展し、「泣ける漫画」として評価を得た『自虐の詩』(業田良家)程のドラマ性はないし、そもそも、この作品は最初から4コマ漫画ではないのだが、均一なコマ割という足かせの中では、心理描写の上手さをかなり発揮していると思う。

 

 

そう思いつつ、この作者が連載中の別の作品、 『鯛代くん、君ってやつは。』 を読んでみたら、やはりコマ割は単純ではあるものの、 『鈴木さん』 よりも1コマ1コマが大きく、絵的な情報量が多いので、かなり画力のある漫画家さんだということが改めて分かった。

 

『 鯛代くん、君ってやつは。 』 は (著者初の) BL作品だが、1巻の段階では、過激なエロは無いし、やはり、萌えを引き出すのが上手く、作画センス的にも見せ場が多いので、『鈴木さん』 の作風が好きで、BLに抵抗の無い人にはお薦めしたい。

 

 

​<関連日記>

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最終更新日  2018年10月04日 23時18分52秒
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