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2018年08月26日
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カテゴリ:漫画・アニメ

   『 世界で一番、俺が〇〇 』 水城せとな (2016年~)

 

 

 

電子書籍にて既刊5巻読了。

 

 

それぞれ人生に不満や葛藤を抱きつつも、居心地よく堅固な親交を続けてきた 幼馴染みの28歳青年 3人組が、「セカイ」と名乗る、超常現象を操る謎の団体のエージェントの女性から「3人の中で誰が一番不幸か」を競うゲームへの参加を持ち掛けられ、というストーリー。

 

 

少女漫画やBL畑で人気を博してきた作者としては、初の青年誌(『イブニング』)連載作品のようだ。

 

 

もともと、人の欠点やネガティブな感情に焦点を当てて描く作家さんだが、今回もその辺はいかんなく発揮され、キャラクター全て、魅力的とは 到底言い難い。

① 不幸な過去を背負い 人生を冷めた目でしか見られず 敵の多い男
② 若い頃 人気者で慢心していた結果 仕事も実績も持ってないことに焦る男
③ 性格の良さ以外に取り柄が無く ブラックなアニメ制作会社で酷使され 疲弊している男

…リアル過ぎて、直視し難い。 30歳を目前にして、若い頃は「明るいもの」と 漠然と信じていた未来が 残酷なまでに空虚なものであることに、それぞれ気づき始めている。



それでも、適度なコメディ描写を交えながらの、先が気になるストーリー展開には、毎度感心させられるところではある。

 

 

得体の知れない組織によって、「命」や「莫大な賞金」などを賭けてのゲームをさせられるサバイバルファンタジーは、少年・青年向け漫画では珍しくもないが(​『 LIAR GAME 』『 VANILLA FICTION 』​など)、これまでの水城作品に馴染んだ読者なら、これが単なるバトルや競争を描くだけでは終わらないであろうことは予想がつくだろう。

 

そもそも、「不幸度」を数値化し、他人と比較するなどという前提自体に相当の無理がある中、絆の深い(はずの)親友同士で競争させることに、そう単純ではない、作者の意図を感じる。

 

 

5巻現在、控え目に言っても、かなり読み味は悪く、「ドロドロ」が苦手な人はイヤになってしまいそうな展開だが、このまま、「脚の引っ張り合い」や「人間性の喪失過程」を見せるだけで終わるような、或いは、「やっぱり友情って尊いよね」なんて陳腐な結論で終わるような、そんな単純な話ではないに違いない、と期待してしまう。

 

つうか、値引きセールとは言え、既刊全巻 購入してしまったからには、是非そうなってくれると信じたい。

 

 

 

 

<関連日記>

水城せとな 『 失恋ショコラティエ 』…… 最終的に誰と誰がくっついても、どうでもいい恋愛漫画

 

水城せとな 『 同棲愛 』…… 「一途さ」 がまねく 悲恋の数々

 

水城せとな 『 脳内ポイズンベリー 』…… 苦い記憶や加齢の不安で退行する 30女の精神世界

 

甲斐谷忍 『 LIAR GAME 』…… 「頭脳」 と 「清廉さ」 とのコラボが生む奇跡

 

大須賀めぐみ 『 VANILLA FICTION 』 ・・・ 「尤もらしい設定」 など無くても良い場合もある




世界で一番、俺が〇〇(1) (イブニングKC) [ 水城 せとな ]


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世界で一番、俺が〇〇1巻【電子書籍】[ 水城せとな ]






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最終更新日  2018年08月26日 23時30分07秒
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