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2017年07月24日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 VANILLA FICTION 』 大須賀めぐみ (2012~16年)



電子書籍無料版およびレンタルにて、全8巻読了。


常にネガティブ思考で、バッドエンドしか書けない作家の青年が、何者か (神?) に仕組まれた 「命懸けの双六ゲーム」 に巻き込まれる話。


RPGゲームの影響か知らないが、特殊な設定のサバイバルゲームに巻き込まれる …的なストーリーは、最近の少年漫画やアニメなどにありがちで、正直、「またか」 という思いがあるが、主人公に (社会的には成功している) 三十路の大人を持ってきたところは、多少、趣向が変わっている。

作家として成功はしていても、自意識ばかり強くて精神年齢の低い青年が、「子供を守らざるを得ない」 状況に追い込まれて、初めて、大人としての自覚に目覚めていく。 この辺の過程描写は案外現実的で、共感できる部分が多々あった。


というのも、こうしたサバイバルゲーム系の作品は、『ソードアート・オンライン』 や 『BTOOOM!』 等のように、「ゲーム制作者」 や 「強大な権力者」 の陰謀といった、もっともらしい初期設定を敷こうとするものが多いが、引きこもって社会経験ゼロの若者が、いきなり武闘ヒーロー化し、可愛い彼女もゲット …みたいな展開になりがちで、どのみち、荒唐無稽であることに変わりはない。


この作品の場合、首謀者、ゲームをしなければならない理由、世界の命運を握るという少女や、不死の人物らの正体など、 …肝心な 「真相」 は、ほぼ最後まで置き去りのまま進行する。

作者が最初から これらの謎を明かすつもりが無かったのか、描ききれずに完結せざるを得なかったのか分からないが、結果的には、これはこれでアリだったんじゃないかなと思う。 どのみち荒唐無稽な話に、クドクドと尤もらしい設定をこじつけても、読む方がメンドくさいだけ、という考え方もある。


それよりは、キャラクターにどれだけ共感できるかの方が、私にとっては読み続けるポイントになった (若干、腐女子向けな傾向があるのは認めるが、キャラ作りは上手いと思う)。


全体としてシリアスなストーリーの中、ちょいちょい差し挟まれるギャグ描写にも結構、笑わせられた。


Amazon の評価も悪くはないようだが、レビュー数からすると、それほどの話題作ではなかったように見受ける。

作者にとっては、初のオリジナル長編らしいが、主人公の性格設定やエキセントリックなキャラクターの多さ、暴力表現、そして、展開そのものも、前作 『魔王 JUVENILE REMIX』 (伊坂幸太郎 原作)の影響を引きずっている感があるのは否めない。


あと、些末な問題ではあるが、英語表記のタイトルをつけるのは、よほどインパクトのある用語であるか、よほど名前の売れている作家でもない限り、避けた方が良いんじゃないかと思う。

チマチマしたロゴで 『VANILLA FICTION』 と書かれている表紙を見て、興味を引かれる日本人がどれだけいるだろうか?

私だけかもしれないが、Amazon で検索などした際に英語表記の書籍名が出てくると、雑誌や洋書が上がってきたのかと思ってスルーしそうになることすらある。

目立つ書体で 『バニラ★フィクション』 とでもした方が、幾分かマシだったのではないだろうか。





<関連日記>
2016.7.29. 伊坂幸太郎、大須賀めぐみ 『 魔王 JUVENILE REMIX 』…… 最後の数十ページで作品評価が上がった












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最終更新日  2017年07月24日 22時52分01秒
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