産後ブルーも含めた「うつ」のサポート
マコ先生の日記は、どんなテーマであってもいつも真理をついていて、激しく納得してしまうのですが、先日の「産後ブルーの原因を考察」についての日記は、産後ブルーだけじゃなくて、「うつ」全般に言えることだなあと思いました。「うつ病」は他の病気と同じく早期発見早期治療が完治への近道です。だから、きちんと病院で治療すべき病気なのだけれど、投薬やカウンセリングやグループワークのような治療の他、家族や周囲の人々のサポートがとても重要な意味を持ちます。精神面と生活面と両方をサポートしなければならないところも、酷似しています。うつ病になった方は分かると思いますが、うつがひどい時は、家事などの作業が全くできなくなりますし、音や光に過敏になるため、まともな日常生活を送ることができなくなります。私は、うつ病のピークの時は布団から出ることができず寝たきり状態だったので、産褥期の産婦さんとこれも状態としては同じですね。「産後ブルー」もひどくなると「うつ病」に至ることがあるらしいので、「産後ブルー」はいわゆる「うつ病」の前の「うつ状態」と同じことだと思うのですが、「うつ」というものは家族や周囲の理解がなければ、いくら投薬やその他の治療メニューをこなしても、絶対に治癒しません。精神的なサポートがかなり重要になるので、サポート側の精神的負担もとてもキツイものになります。***殆どのお父さんは仕事があるわけで、つまり片手間で産後の妻のケアをする。親戚もしかり。要するに、みな、自分の生活もあるなかで、片手間で産後の人のケアをしたりしているわけで。で、頼れる相手が少なければ少ないほど、その頼られる人の負担は大きくなるわけで、そうすると、産後の人に対するケアが手薄になることもでてくる。で、頼みの綱がそういう状態だと、産後の人はますます不安になり、不安定になるんじゃないだろうか。産後の不安定な精神状態のときって、本人は必死なんだけど、それはすごくわかるんだけど、はたからみると、周りはもっと大変。やつあたりされたりして。産後ブルーと名をつけてしまえばそれまでだけど、行動がはたからみてるといただけないことって多い。ぎゃーぎゃー泣いて、欲求欲求欲求。赤ちゃんなら許されるがこれを大人がしてしまうと・・・。***とマコ先生は書かれていますが、これ、うつにそのまま当てはまります。だから、産後ブルーの状態の産婦さんも、ある意味病気の一歩手前なんですよね。でも、そう理解してサポートできる人ってたぶん少ない。いや、十分理解をしていてサポートできたとしても、そうであってもそのサポートはとても大変で厳しいと思う。「分かってはいたけど勘弁してくれよ」っていう感じになると思う。ただ、うつ病と違うところは、「事前に自分がこのような状態に陥る可能性が高いことが前もって分かっている」ということです。だから、対策を事前に打っておくことができる。1人に対する負担が大きくなればなる程、サポートする側も一杯一杯になって、本人に対して優しくサポートできなくなる。だから、サポートする人数は多ければ多い方が良い。私の場合、うつ病のときも、今回の産後も、夫に全身全霊で依存していたため、夫への負担が尋常じゃないくらい大変壮大なものだったと今改めて思う。大変申し訳ないことをしたと思うし、もっと沢山の人にどうして頼れなかったのかと心から悔やまれる。これからは同じ轍を踏みたくないです。渦中にいる時は、本人の私としては自分のことに必死で、相手のそういう状況も何も見えてない、聞こえてない。辛くて苦しくて仕方ないことを分かってもらいたいので、泣いて騒いで欲求欲求欲求!になってしまっていて、周りの人にしてみればろくでもない状態。これを、夫ひとりで支えるとかって苦行以外の何物でもない。で、よくあるパターンは、これを我慢して耐えて頑張って支える夫もバランスを崩してうつになってしまうパターン。「うつ」はうつると良く言うけれど、こういうことなのです。うつ病は、ある一定期間極度のストレスにさらされているとセロトニンという脳内物質の分泌が減ってしまうことで起こる病気なので、うつ病に移行する前のうつ状態の段階でどれだけ早く気づいて対策を講じられるかが、悪化しないための対策。ここで対策を打てないと、うつ病に移行してしまって、自分がダメだと自責の念にかられまくって、不安になりまくって、自分は孤独だーとどんどんどんどん悪くなっていく。こうなったら、もうお医者さんに行くしかありません。うつになる人は頑張りやさんとか完璧主義の人が多いと、以前通っていた心療内科の先生が言っていましたが、先日の日記「過信と傲慢」に書いたことに通ずるものがあるなって思いました。人を頼れない、頼ることができない、頼る勇気がない、いわゆる自分を過信している傲慢な人は、たぶん産後ブルーもかなりキツかったのではないでしょうか?人に委ねるってとても勇気がいることだと思う。自分でやれば安心だし、お金もかからないし、何より早いし、とか思うよね。(私だけ?)でも実際は、そうやって自分で全て背負うことで起こる精神的な不安定さ、それのとばっちりを受ける夫や家族、おろそかになる家事や仕事、その他諸々・・・とかそのことが元で生じるあらゆる弊害考えたら、一人で抱えて全てをやることは全然安心でも早くもなく、何より人に委ねることにかかる費用は全然高くないということに気づく。そして何より1人で抱え込んだって全然偉くないし美しくない。そういう無理な我慢や無駄なプライドや物分りの良いフリは、無意味どころか百害あって一利なし。人に委ねることで得られるものって沢山ある気がします。人に委ねることができるということがもうすでに、精神的に余裕ができていると思うんです。だから、人に委ねることができるようになったら、精神的に自立できる第一歩のような気がします。こんなことを偉そうに書いている私は、夫に「君は自分の思うとおりに物事が進まないと気に入らないよね」と言われてしまう全くダメな人間です。(家事など夫に頼んでやってもらっても、自分のやり方のようにやらないと文句を言ったりしてしまうらしい)最近は、気をつけてお願いした時は口を出さずお任せするようにしています。少しずつ自立した大人の人間になる努力をしています。