晩春
渡月橋が架かる川は、大堰川(おおいがわ)と呼び、 ここより上流が保津川、 そして渡月橋より下流が桂川と呼ばれている。元禄七年六月。去来の落柿舎に滞在中に芭蕉が詠んだ句に〈六(ロク)月や峯に雲置クあらし山〉 がある。盛夏六月炎天下の嵐山を詠んだ。六月は「みなづき」ではなく、芭蕉自ら六にロクと振り仮名をつけている。みなづきやでは語勢が炎天の景にふさわしくないからである。嵐山一帯は人気の的で大勢の人々で行き交っていた。川沿いの石に座って川音に耳を傾け、川舟を見たり、人々の笑顔に逢ったりとゆっくり時を過ごした。晩春の空は薄霞がかかり、芭蕉とは異なった嵐山の景を満喫した。 晩春の石に腰据ゑ嵐山 クリックしてね ↓ 人気ブログランキングへ 俳句・春・時候、晩春、京都嵐山、大堰川、芭蕉