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BSで映画「黒い画集 あるサラリーマンの証言」を見ました。
1960(昭和35)年の作品です。 この時、私はこの映画見ています。評判でした。 どうしても、主人公に気持ちを入れ込むので、見ていて辛い映画です。 松本清張の原作「黒い画集」の中の一篇「証言」を橋本忍が脚色ました。 会社の課長・石野(小林桂樹 )は部下で愛人の千枝子(原知佐子)との情事の帰りに保険外交員の杉山(織田政雄)と出会います。 数日後、杉山は殺人容疑で逮捕されます。 杉山のアリバイを証言できる石野だったが千枝子との関係が発覚し、社会的地位を追われることを怖れ、証言を拒否します。 高校生だった私がどう見たか、石野と千枝子がかわいそうという感情を持ったことは確かです。 見たと証言する映画の筋を覚えるシーンはよく覚えています。 それと愛人役の原知佐子、奔放でとてもセクシーで、刺激的でした。 日常生活にひょっこり姿を現す「転落への落し穴」という表現が 一番あたっています。 ふりかえって見ると、そんな落とし穴のそばを通ったことがあるような気がします。 今回も見ていて、暗くなり、でもこれが松本清張の世界だな、と納得させて見ました。 昔見て、印象に残っていたので見たかったのです。 映画の冒頭に、主人公の紹介がりますが、課長42歳、給料5万円、ボーナス40万円と語らます。そこに時代の価値を感じさせてくれます。 場面も、ちんちん電車が走っていて、かつての風俗も興味深いです。 丁寧に作られているので、画面に吸い付けられます。 松本清張の原作も読んだことがありますが、短いものです。 橋本忍の脚本がすばらしいです。監督は、黒澤明の助監督などつとめた堀川弘通。(いくらか私の郷里に関係があります。確かこの映画の封切りの時、来たように覚えています)。 ところで、この「黒い画集 あるサラリーマンの証言」は1960年度のキネマ旬報ベストテン第2位になっています。 第1位は何だろうと思って調べて見ると、市川崑監督の「おとうと」でした。 これ、今日の昼、BSでやっていました。(ビデオに撮りました)。 3位が黒沢明監督の「悪い奴ほどよく眠る」。脚本の一人に橋本忍、入っています。 4位が木下恵介監督の「笛吹川」 5位が小津安二郎監督の「秋日和」 6位が新藤兼人監督の「裸の島」 7位が今村昌平監督の「豚と軍艦」 そして10位が大島渚監督の「日本の夜と霧」 すごい作品ばかりですが、しかも、ここに書いた作品はその時にすべて見ています。 高校生のくせによく見たな、と思います。 こんな時代があったのだ、とそのことも感慨深いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.10 20:35:20
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