箱庭

「ああ、あとは今年の目標だ」


「？」


「ポルトガルを併合する」


「・・・何故です？」


「一、ポルトガルは枢軸国に参加しておらず、開戦が即刻対独戦に繋がる可能性が低い。二、アフリカに植民地を持っているため、我々の方針とは相容れない。三、スペインの国力増強に利用できる。四、ポルトガルなど存在しなくても誰も困らない」


「・・・了解しました。それでしたら、ニが最も重要であると思えますが？」


「その通り。アフリカのポルトガル領は全てリリースする」


「懲りませんね・・・」


「味方は多い方がいいだろう？」


「それはそうですが・・・どちらが『枢軸』なのか分かりませんね」


「そりゃお前、我国は独伊とも同盟関係にあるんだぜ？」


「そうだった・・・。完全に忘れていましたよ・・・」


「まぁ、死文化してそうだがな」

＊

5月28日


「閣下。技術の青写真提供を受けました」


「アメリカ△」


「いえ、それが、その・・・。イエメンから」


「・・・はい？」


「今まで放置していた発展型対戦車砲を開発していたところ、唐突に」


「イエメンから？」


「はい」


「あぁ、うん。ありがたいのはありがたいんだが・・・」


「めちゃくちゃ複雑な気分です・・・」

＊

7月7日


「ポルトガルに宣戦しました」


「笹の葉さラプソディ～♪」


「ゴロが悪いですね・・・。さらさら、でしょう？」


「ラインカーが走る～♪」


「ああ、完全にラプソディーだ・・・」


「しかし、ポルトガルはアゾレス諸島やらヴェルデ岬諸島やらVPが点在していて攻めにくいな」


「そのための空挺部隊でしょう？」


「まぁ、アフリカの内陸にVPがあったからな」


「やはり便利ですねぇ、空挺部隊。開戦初日にアフリカ内陸部を抑えられるというのは」

＊

7月11日


「ポルトガルが和平の使者を送ってきました」


「4日か。思ったより早かったな」


「そりゃあすでに首都も落ちてますし、世界の3分の2を相手にしている状態ですからね・・・」


「はねつけろ」


「ですよね～」

＊

7月21日


「スペインがポルトガルの併合ボタンを押しました」


「ポルトガル本土はスペイン、アゾレス諸島、ヴェルデ岬諸島、マカオは我国が統治。アフリカ領はリリース。戦略目標を完遂したな」


「ポルトガルフルボッコ・・・」


「世界は弱肉強食さ・・・」


「ですよねー。まだどの国もアレを持ってませんし」


「まだ、な・・・」


続く。

HoI2集

大日本帝国AAR2