ゆんたく物語

写真や鬼ぬ股ぬ

昨日（ちぬう）やムーチーやいびいたん。
新正から旧十六日祭（じゅうるくにちい）までえ、実（じゅん）に、忙（いちゅ）なしむんやいびいさ。
ムーチー（鬼餅）ん、なあ食（か）まあん、いきらく、けえなとおいびくとぅ、くんなげえぬ如（ぐと）お、なんぞお作（つく）らんなとおいびいん。
作（つく）てぃ直（ちゃあき）え、仏壇（ぶちだ）ぬんかい、３ぬ倍数（べえすう）、飾（かざ）てぃ、食でぃ後（あと）お、かあさ殻（がら＝月桃ぬ葉）、あじまあ結（むし）びさあに、鬼（うに）ぬ股（また）、玄関（やらぐち）んかい下（さぎ）やびいん。
実（じゅん）ねえ、物除（むんぬ）きとぅさあに、家（やあ）ぬ四角（かどぅ）なありい、下ぎらんでえならのおあしが、今前（いまめえ、いまふう）ぬ家や、昔とお作い様ぬ変わてぃ、玄関ぬ他（ふか）あ下ぎゆる所（とぅくる）ん無（ね）えらんくとぅどぅ、玄関んかい下ぎていびいる。
筆：比嘉清

---

【訳】
昨日はムーチー（祭）でした。新正から旧十六日祭（じゅうるくにちい）までは、ほんとうにいそがしいです。
ムーチー（鬼餅）も、もう食べる家族も、少なくなってしまっていますので、以前のように沢山は、作らなくなっています。
作ってた直後は、仏壇に３の倍数個をお供えし、食べた後は、包んでいた葉っぱの殻を（ほとんど月桃の葉）を十字に結んで作った「鬼ぬ股」）を玄関に下げます。
ほんとうは、魔除けとして、家の四隅に下げなけらばならないのですが、現代住宅は昔の建て方と違いますので、（私の家の場合は）玄関以外に下げる場所がないので、玄関に下げているのです。
筆：比嘉清