長期投資を真面目に考えてみたものの・・・
この数日間は長期投資と有馬記念のことばかり考えていたのですが、有馬記念どころかこの三連休で馬券で大負けしてしまったのでこの悔しさをぶつけるべく年賀状作りと長期投資について傾注しようとしているところです。前回予告したとおり長期投資銘柄に適した銘柄というものを会社四季報でスクリーニングしてみました。条件は以下のとおり。◎1992年以前に上場している銘柄 古い企業であり、技術革新が発達した今日においても通用する商売を長きにわたり継続している銘柄を評価する、という趣旨。ただし1992年にこだわりはありませんが。◎2002年以降減配・無配がない銘柄 事業が長期に渡り安定していると同時にこの10年間の業績にかかわらず安定的な配当政策をとっているかによって株主への配慮も評価します。ただし、一時的な記念配や特別配は考慮せず、その前年と同じ配当額であれば可としました。◎BPSが成長している銘柄 減資や借入金だのみの経営ではなく、株主資本が順調に増加しているかを評価する。PBRが一定とするならば株価もBPS成長率と同等のリターンを得られるでしょう、という意味。以上の結果、該当する銘柄は218銘柄となりました。この銘柄のうち、以下の項目で評価することとしました。◎リターン 2002年終値から直近の株価及びこの間受け取ることができる配当金を考慮してリターンを求めます。◎予想PER 2002年終値時点における予想PERと現時点における予想PERを比較することにします。◎有利子負債営業利益率 「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」に記載のあった指標。事業の継続性にあたり、有利子負債に対する依存度を確認することで増資等のリスクを予測します。◎設備投資売上高比率 事業の継続にあたって設備投資の依存度を測ることでFCFの多寡及び増資・自社株買いなどの株価への影響度も検討に入れます。◎ROE 株主資本がどれだけ持続的かつ効率的に利益を生んでいるかを確認します。で、この結果をさらに絞り込むべく正確なリターンや条件をスクリーニングして、かっこよく本ブログに一覧表でも載せようと思ったのですが、会社四季報の操作がままならない(そもそもそのような機能がない?)ため、正確なデータがとれませんでした。このため、長期投資に向く銘柄と向かない銘柄を手作業でチェックし、全体的な傾向をメモ書きしておくことにします。◎長期投資に向かなそうな銘柄 BPSが毎年増加でかつ安定した配当を出していても上記評価項目で問題がある銘柄はリターンが少ないケースが目立ちました。例1:有利子負債営業利益率(設備投資の依存度)が高い会社8267 イオン(6.7倍)8142 トーホー(9倍)9637 オーエス(8.5倍)9081 神奈川中央交通(12倍)9846 天満屋ストア(23倍)など例2:高PER銘柄2815 アリアケジャパン(27倍)6594 日本電産(74倍)5901 東洋製罐(39倍)4507 塩野義製薬(100倍)など例3:低ROE銘柄1967 ヤマト(1.7%)4118 カネカ(2.16%)1961 三機工業(0.22%)など◎直近10年間においてリターンの高かった銘柄(上位20銘柄)7936 アシックス5809 タツタ電線8114 デサント6849 日本光電6957 芝浦電子1983 東芝プラント1835 東鉄工業7956 ピジョン8830 住友不動産8129 東邦HLD7947 エフピコ4997 日本農薬4536 参天製薬7739 キヤノン電子1878 大東建託3110 日東紡4530 久光製薬2220 亀田製菓6845 アズビル3107 ダイワボウHD共通しているのは以下の条件を概ね満たしている点です。◎有利子負債営業利益率が2倍以下であること◎ROEが6%以上あること◎設備投資売上高比率が7%以下であること◎予想PERは概ね20倍程度であることということで、決定的な数値上の条件を上げることはできませんでしたがある程度のメドがたつでしょう、と。長期投資は配当利回りの高い銘柄であることも重視するべきでしょうが、これはあくまで一側面の評価に過ぎず、長期に渡る事業の安定性も多角的に問う必要があります。もちろん、これまで挙げてきた数値はあくまでも過去のデータであって将来の業績・株価を保証するものではありません。いわんや、こうした数値的なデータを厳しく限定するよりも、その企業の強み、事業の継続性、オペレーションといったファンダメンタル的な側面を重視することが結局は必要だと考えます。次回は、再度長期投資に考え方についてまとめてみたいと思います。