マネックスメールから、大槻那奈さんのつぶやきの転載です。
昨日催された英国王室と日本の両陛下との晩餐会で、チャールズ英国王が、ポケモンとキティちゃんに触れたというニュースが話題になっています。
こういう場でこういう話が出るとは、微笑ましいサプライズでした。
こういう話を聞くにつけ、日本のゲーム、アニメ、マンガ等の「ソフトパワー」は、日本人が思っている以上に世界中を席巻していると感じます。
昨年十数人で欧州に行った時、ホテルに『あしたのジョー』等の日本のアニメの絵がいくつか飾ってありました。
我々が泊まるから飾ったのかとホテルの人に聞いたら、純粋に若者に人気だから、との答えが返ってきました。
日本のコンテンツ産業の輸出額は4.7兆円で、実は半導体(5.7兆円)、鉄鋼(5.1兆円)に次ぐ規模になっています(2022年。内閣官房2024年4月17日資料)。
インバウンドで訪れる若者も日本のアニメ等に触発された人々が多数いますから、コンテンツ産業は、見えている以上の経済効果をもたらしていると思われます。
世界へのオンライン配信等がもっと進めば、恩恵はさらに拡大するでしょう。
そのような中、先週米投資会社ブラックストーンが、フレンチブルのCMでおなじみの「めちゃコミック」の運営会社インフォコムを2,756億円で買収すると発表しました。
ブラックストーンの日本への投資としては過去最高規模とのこと。インフォコムの株価は報道前の2倍以上に上昇しています。
ざっくり言えば、日本市場の評価は、海外投資家の評価の半分以下だった、ということになります。
現在コンテンツ業界の時価総額は13兆円程度と、日本の上場企業全体の1.3%程度に過ぎません(日経新聞の「コンテンツ制作・配信」関連97銘柄の合計)。
非上場の企業が多いせいかもしれませんが、もしかしたら、上場企業についても、めちゃコミのように、価値が埋もれてしまっているのかもしれません。
コンテンツ産業は、恐らく日本の個人の目利き力が生かしやすい業界でもあります。せっかくなら、外国人投資家より先に価値を発掘したいものです。
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(先日の八戸市民大学での作家・石田衣良さんの講演で、小説などの書籍などは不況だが、「出版社は史上最高益を出している。その原動力は漫画だ」という話がありました。
そして、今、世界中に日本文化を伝えているようです。)