ネマガリタケ採りは、クマ対策講じ入山を
地元紙の記事の転載です。●青森県内でツキノワグマの出没件数が増加し、県が全域に「ツキノワグマ出没注意報」を発令して、注意を促している。全国的にクマの目撃や被害は頻発しており、県民が襲われて命を落としたとみられる事例も発生している。ネマガリタケなどの春の山菜取りの季節になり、人が山に入る機会が増える中、山菜取りに慣れた人も「山にはクマがいるものと考えなければならない。身を守り知識を身に付けてほしい」と警鐘を鳴らしている。青森県自然保護課によると、今年1月1日~5月31日の目撃、人身被害、食害の件数を合わせた出没件数の暫定値は86件だ。通年で過去最多の1,133件を記録した昨年よりは下回るが、注意報が2年連続発令される事態となっている。同課は「近年の積雪の減少や気温上昇の影響で、クマの活動開始時期が早くなっているのではないか」と件数増加の要因を推定する。懸念されるのは人間への被害だ。近年は市街地での目撃も増えているだけに、危険度はなおさらだ。また5月以降は冬眠から目覚めたクマの活動範囲が広がる一方、山菜採りや登山などで人間の入山機会が増えるため、より遭遇の可能性が高まっている。実際、県内では5月29日に、深浦町で山菜採りをしていた80代男性が襲われて負傷する事態が発生した。また秋田の山林で、遺体で発見された三戸町の男性は、身体に噛み傷や引っかき傷があることから、クマに襲われたとみられている。被害の拡大を防ごうと、青森県は「入山の際は、複数人で会話を絶やさないようにしたり、クマよけの鈴を身に付けたりするなどの対策を講じてほしい」と注意を喚起している。秋田県では青森、岩手の隣県に、特定地域への入山禁止を要請するなど、厳しい対応を取っている。「緊張感をもって山に入らないといけない」そう話すのは五戸町の産直施設”ふれあい市ごのへ”にネマガリタケなどを出品している、同町内の山菜取り団体に属するKさんだ。県内は現在、ネマガリタケ収穫の最盛期で、多くの人が入山しているものの、山に関する知識やクマ対策が乏しい印象を受ける人も少なくないという。属する団体では、鈴に加えて、万が一の際にクマを退けるための発煙筒や爆竹などを準備している。複数人で声を掛け合いながら山に入り、山菜を採る際は、小型のサイレンを鳴らしながら、音の聞こえる範囲で動いている。団体の50代男性は「これだけ準備していても、クマに遭遇することはある。危険を認識したうえで、山に入る人には、改めて知識と緊張感を持ってほしい」と訴えた。●タケノコ採りの男性、発見に至らず十和田署によると、2日前から十和田市奥瀬の山中にタケノコ採りに入ったまま行方不明になっている、同市のTさん(86)はの捜索は、3日午前7時半ごろから行われたが発見に至らず、悪天候のため同11時50分で切り上げられた。4日は同6時頃から捜索を再開する予定だ。●ABA青森朝日放送の記事の転載です。タケノコ採りのために、青森県十和田市の山に入った86歳の男性の行方が、2日から分からなくなっています。行方が分からなくなっているのは、十和田市三本木の無職、Tさん(86)です。警察によりますと、Tさんは2日午前6時半ごろ、タケノコ採りのために、親戚2人と十和田市奥瀬の子ノ口橋から、北西およそ2.5キロの山中に入りました。午前11時ごろ、先に下山した親戚が豊川さんの携帯電話に連絡したところ「迷った」と話していて、親戚は周辺を捜索しましたが見つからなかったため、警察に届け出ました。3日は午前6時から、警察と消防が40人態勢で捜索に当たりましたが、悪天候のため正午前に終了しました。Tさんの携帯はつながらない状態となっています。4日も午前6時から捜索する予定です。●クマに襲われ、道庁職員けが3日午後3時15分ごろ、北海道雨竜町恵岱別で、治山工事のために森林を調査していた道庁空知総合振興局職員のKさん(51)=岩見沢市在住がヒグマに襲われた。道警によると、肩から胸にかけて負傷したが、命に別条はない。「熊と正面で鉢合わせしてしまった。噛まれたか、引っかかれたかは分からない」などと説明している。道警によると、2024年に入って、人がヒグマに襲われる被害は2件目だ。クマは捕獲されておらず、警察官や狩猟家、町職員らが周辺で警戒に当たっている。Kさんは道庁空知総合振興課の職員だ。他の職員とともに治山工事の事前調査で現地を訪れ、3人と2人に別れて作業中に、いきなり襲われた。血を流したKさんが林の中から現れ、同僚に「クマに襲われた」と話したことから、町役場を通じて警察に通報した。現場は住宅から1KM離れた森林や田畑が混在する地域だ。雨竜町は防災無線を通じて、付近住民に注意を呼び掛けている。担当者は、「クマがうろつくようであれば、わなを設置するなどして、捕獲を検討する」と話した。今回の事故を受け雨竜町は、4日、男性職員が襲われた現場近くに箱わな1つを仕掛けました。襲ったのは体長約1.5メートルの母グマとみられ、当時、近くでは子グマのような鳴き声も聞こえたということです。雨竜町は、山には入らないよう住民に注意を呼びかけています。