今年は、「仮名手本忠臣蔵」を春夏秋の三回に分けて、通し上演です。
わたしが前に通しで見たのは、昼夜だったので、二日に分けて見に行きました。
長い物語なので見る方も大変ですが、それまで歌舞伎などで部分的に見たことはあっても、全体の物語がわからなかったので、通しで見たおかげでこの演目がたいへん親しいものになりました。
4月は、大序から四段目まで。
高師直の嫌味なんかは、あんまり露骨なぶんかえってコミカルな感じも受けるのですが、
塩谷判官切腹の場では、しーんと静まり返ってたいへんな緊張感。
丁寧に切腹までの作法をするところが痛々しいのです。侍は、子供のころから切腹の詳しいやり方を習って育つのだろうかなどと考えました。
ところで、「殿中でござる」ていうけど、どうして最高セキュリティの場所に刀剣持ち込み可なんでしょうね??入口で没収するべきでしょうに。
また、そのあとの城明け渡しは、ずっと沈黙。義太夫さんはなにも言いません。ひたすら由良之助のすることを見ていると、由良之助の心情がひしひしと伝わってきます。この場面は本当に素晴らしい。
赤穂城に行っておいて良かったです。
夏は昼の部、五段目から七段目(一力茶屋の段)です。もっとも有名な場面。
観に行けるかなあ。