|
テーマ:好きなクラシック(2324)
カテゴリ:クラシック音楽
先日、国際天文学連合(こんな学会があったとは!)で太陽系の惑星がこれまで認められていた9個からいきなり12個になる新定義が提案されたと云うことでかなりの話題になっている。24日の採決でもし採択されると、今後太陽系の惑星数は12個となり、世界中の科学の教科書が書き直しを迫られることになるという。
それにしても「セレス」「カロン」など名前が付いている星はいいとして「第10惑星」というのはいかにも色気がない。ホルストの「惑星」に描かれた惑星たちは8個、近年はマシューズの「冥王星」を付けて演奏したり、アルバムを構成することが多いが、この先はどうなるのだろう? ホルストの「惑星」は太陽系惑星の特徴を絶妙な旋律で描いた傑作。一つ一つの惑星について、神話や思想、占星術などからくる歴史的な印象を音に仕立てた。彼の生きていた20世紀初頭には冥王星が発見されていなかったため、海王星までのラインナップになっているのだ。 人類の宇宙への夢は果てしない。今日までNHKでやっていた海外ドラマ特選「宇宙へ」も見応えのある作品だった。 米ソの宇宙開発競争、月面着陸までの熾烈な競争を両者の視点から描き、大変興味深かった。大戦終了時にドイツのV2ロケット開発責任者だったフォン・ブラウンはアメリカに渡り、元ナチのレッテルに苦しみながら次第に信頼を得て、最後には月面に人間を送り込むことに成功する。 これに対し、やはりV2ミサイル設計担当だった別の人間はソ連に渡り、強制収容所の恐怖とソ連内での栄達という飴と鞭によって必死で宇宙ロケット開発に励む。その恐怖の力によって、当初ソ連は宇宙開発において米国をリードすることが出来たのだ。 しかしそうした無理な開発はいつまでも続かない。ソ連の硬直した体制内では、大陸間弾道弾は飛ばせても友人月面宇宙船の開発は不可能だった。番組はその背景を実にドラマティックに見せてくれた。 人類が月面に降り立ったのが1969年。すでに35年以上が経過したのに、人類は次のステップ(他の惑星への有人飛行)には成功しておらず、月面基地や大規模な宇宙ステーションの設営にもまだ成功していない。そういう意味では宇宙への挑戦は停滞していると云うことになるのだろうか? 手塚治虫がアトムの誕生日としたのが2003年。スタンリー・キューブリックが創造した映画「2001年宇宙の旅」では人類はもっと発達した科学技術を駆使しているように見えた。人類の宇宙開発への挑戦は、今後まだスピードアップしていくのだろうか。 ホルストもフォン・ブラウンも、生きた世界は全くことなるが「宇宙」に挑戦し勝利した人間といって差し支えないだろう。自分が生きているうちに大気圏外から地球を眺めることが出来たらなんと素敵なことなんだろう・・・これは見果てぬ夢なのだろうか? 最新の「惑星」を聴いてみましょう! ラトル/ホルスト:惑星(冥王星付き) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月18日 01時56分15秒
[クラシック音楽] カテゴリの最新記事
|
|